起業家はGDPと逆相関の発想をもて
日本のGDPをゼロにしてしまえ。
既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂
起業家がビジネスモデルを考える際には
2つのアプローチがある。
一つは「現状ビジネスモデルの改善」であり、
もう一つが「現状ビジネスモデルの破壊」である。
「改善」というのは、これまで5000円で売られていたものを
4000円で売ろうとか、3000円にしようというものだ。
あるいはこれまで世の中は70点で満足していたものに、
80点のものや90点のものを提供するということである。
そこには自分の持つノウハウなど、特定の競争優位性(Strong)があり、
時代や社会背景の機会(Opportunity)と相まって、
新しいビジネスモデルになるという考え方だ。
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一方で「現状ビジネスモデルの破壊」という考え方がある。
これは既存産業を駆逐し、
同業がバタバタと倒産するようなビジネスモデルである。
例えばこれまで5000円で売られていたものを
500円にするとか、無料にするとかいうことだ。
あるいはこれまで70点のモノしか世の中に存在しなかったのに、
700点とか1000点のモノが急に現われることである。
そうなると既存商売をしている人はたまらない。
自分の商売の価値が10分の1になってしまう。
あまりの市場の急変に耐え切れず倒産する企業も出てくる。
本来起業家が探求すべきことは、
このような破壊的ビジネスモデルなのである。
これこそが本来語られるべき「イノベーション」である。
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既存ビジネスを破壊するには、
概ねコストパフォーマンスを10倍くらいまで上げる必要がある。
そんなことが出来るのかという疑問があるだろうが、
これを実現する基本解はIT化に他ならない。
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ムーアの法則とグローバル水平分業のお陰で
CPU、HDD、メモリの単価は下落の一途をたどっている。
昨今の景気減速により半導体設備の余剰感は
さらに高まり、設備稼働率は低下する一方である。
そのためコンピューターの性能/価格比は
年率1.5倍で上昇している。
これがITの低コスト化を推し進め、
限界計算費用(1計算あたりのコスト)は実質ゼロ円になっている。
既存のビジネスモデルを破壊するにはこのITの活用が不可欠である。
ビジネスにはバリューチェーンという概念がある。
これは消費者を起点とし、付加価値の連鎖が
販売者、生産者、そこへの供給業者と連鎖していることを
概念的に表した言葉である。
私はこの付加価値の鎖を独自にレイヤーという呼び方をしている。
レイヤーとは「層」という意味である。
付加価値を決めるのはあくまでも消費者であって、
それがどういうサプライチェーンかは消費者にとって関係ない。
例えばiPhoneを買うのに、その中身がどの会社の半導体で作られているかは
購買に影響しない。
話がそれたが、
IT化による破壊的ビジネスモデルを構築するには
このような付加価値のレイヤーを一つずつ分解し
IT化による合理化がどのくらいまで出来るのかを
検討していく作業が必要となる。
IT化のポイントは人的作業であり、
人的作業の付加価値が多く、なおかつ単純計算作業が
多いものが、破壊されるターゲットとなる。
単純計算作業はIT化によって実質ゼロ円で構築できる。
即ちその部分を低コスト化できる有効な手段である。
このようにビジネスレイヤーの分解と、
単純計算作業のIT化で既存ビジネスを破壊していくのだ。
破壊は静かに行われ、ある日雪崩を打って業界を席巻し
既存業者を駆逐する。
こうなれば少なくとも単純計算作業を行っていた人は
早晩不要になり、これまで5000円払っていたものに
500円しか払わなくなるため、
その産業のGDPは10分の1に減少する。
一方で消費者はその余った4500円を他に使えるため、
GDPの減少が生活水準の低下にはつながらない。
不要となった単純計算作業者は
再教育によって付加価値の高い仕事に従事し、
その国に付加価値の高いもののみが残っていく。
これこそが真の産業イノベーションである。
短期的に潰れる企業が増えるとか、
派遣労働者が解雇されるだとか、
雇用が守られなくなるだとか、
近視眼的な産業保護・雇用保護は「長期的に競争力を失うだけである」
GDPと逆相関のことこそが
産業のイノベーションにつながり、
長期的な競争力の源泉となるのである。
起業家は既存産業の破壊を常に考えて欲しい。
日本のGDPをゼロにしてしまえ。
既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂なのである。
