近視眼的円安政策、日本の長期衰退を招くべく、自らの首を絞めた既得権産業→政府→日銀の大罪

Posted on 2009-1-18 by admin under Economics, International, Japan, Politics. Tags: , , , ,

日本の長期衰退を招く、誤った円安誘導
長く続いた円安水準が是正され、
1ドル90円前後のレートが続いている。

これまでの円安水準は日本株式会社の
屋台骨であるトヨタやキヤノンのような
統合型輸出産業への補助金となっていた。

しかし恒久的にモノ作りで経常黒字を積み上げつづける
「日本円」の価値は、本来もっと高い利子率がついてしかるべきであった。

利子率をのせれば長期的にその分だけ貨幣価値は減価し、
しかるべき水準に落ち着く。
それが本来起こるべき自然な円安誘導である。

短期的な円高は、大黒柱であるトヨタやキヤノンの業績を脅かす。
短期的な景気縮小を恐れる政府は日銀に圧力を掛け
歴史上異例のゼロ金利政策に加えて、量的緩和措置を取らせた。

2003年からのストック価格の上昇時に過剰流動性が意識されながらも
政府からの強い圧力のもと日銀は機動的な利上げが出来ず、
円キャリーによる世界バブルの片棒を担いでしまった。
近年の金融自由化、特に為替取引きの自由化は
為替相場の水準のあり方を一変させた。

金利の高い通貨は買われ、それが投機マネーを呼び寄せ
さらに高くなるという循環をもたらす。

日銀が円金利を上げれば、即ち世界中のマネーが日本に押し寄せ
円高を招く。

それにより結果的に日本の輸出型産業は「補助金」が無くなり
海外に進出して空洞化するか、衰退の一途をたどると考えられた。
しかし現実にはここに誤解がある。
海外に移転する産業やレイヤーは組立などの
労働集約型産業のみである。
それは単純労働という付加価値の低いレイヤーであり、
本質的に日本の産業構造にそれが必要なのかという議論が一切ない。

「派遣切り」のニュースが連日報道されているが、
元来これらの職種は長期的に見て日本にとって
必要な産業レイヤーでは無いはずである。

単純労働は本当に国内に必要なのだろうか?
中国の労働者は月給1万2千円で200時間も働いてくれるが、
その労働水準と本質的に競争する意味が日本企業にあるのだろうか?

本来であれば先進国として付加価値の高い事業と
レイヤーに経営資源を集約し、
単純労働や低付加価値の産業・レイヤーは
より低賃金の国々に放出してしかるべきではなかろうか?

そうやって資本の新陳代謝は維持され、
健全でROEの高い産業やレイヤーのみが
日本国内に残っていくのである。
それが先進国の高金利、通貨高によって国力を維持するための
国の産業政策である。
この国には長期的に産業の形態を変えていこうとする
ロードマップが一切ない。

いや、正確に言うと、既得権益が資本の大半を握ってしまっているため
産業界が政界を牛耳り、ひいては産業構造をゆがませて
結果的に自らの首をしめているというのが
正しい認識だろう。
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本来の円の実力を加味しないゆがんだ金融政策によって
円の実効価値は不自然に安い水準が続いた。
これにより産業は国内への投資を継続し、
「本当は大して安くない労働力」を国内に抱え込んだ。

こうして産業は自助努力をせずに
国内に産業を残し、世界への展開を忘れた。

円安に流され、新陳代謝を怠った日本の産業は
失われた10年間の間にさらに傷口を根本修復することを
怠ったのである。

高付加価値産業、高ROE事業、への転換を怠った
日本株式会社は長期的衰退へと向かうことは逃れられない。
産業界→政界→日銀
というリーダー不在の歪んだ政治構造が
日本を長期的衰退に向かわせてしまう。

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