プリウス値下げでトヨタは年率20%のコストダウンを実現する運命を歩む。

Posted on 2009-5-2 by admin under Asia, Economics, International, Japan, enterprize.

コモディティになった自動車:

トヨタがプリウスの新型を発表した。
燃費は38km/Lと、世界の量産車で最高水準だ。

しかしニュースリリースにおいて、その性能よりも話題になったのが、
「205万円」という新型プリウスの価格設定である。

全世界の不況と金融収縮でローンが降りず、自動車の販売は激減している。

自動車産業が屋台骨を支えるドイツ、日本などの政府は
自動車購入に補助金を出してなんとか自動車産業が息耐えないように躍起になっている。

トヨタにとって追い討ちをかけたのがホンダが発売した新型ハイブリッドのインサイトだ。
こちらは189万円という値付けでリリースし、2万台近くのバックオーダーを獲得した。

それに慌てたトヨタは現行プリウスを190万円で併売することを決めた。

これは単なる自動車の値下げ合戦というニュースでは終らない。
大衆車がコモディティ化したという時代の潮流の変化と捉えるべきである。

自動車事業は、莫大な初期投資が掛かる、典型的な旧来型産業である。
これらは「ボリューム型資本主義」とよばれ、大量の設備、人員、莫大な広さの工場が必要で、
資本市場(主に株式・社債市場)からの資金調達なくして成り立たない産業である。

いわゆる製造業は全てこのカテゴリーに入る。

これらの産業には、歴史的に見て下記の大波が常に押し寄せる運命となっている。

  • 新興国の勃興により、労働生産性が向上し、価格低下が免れない。
  • 新興国で技術が漏洩することで、技術面の参入障壁が低くなり、競争がおきやすい。
  • 世界的なカネ余りによる長期金利の低下が進み、
    事業としての採算性が成り立ちやすくなるから、資金面での参入障壁も低くなる。
  • いつかパイの縮小が起こったときに、成長産業から成熟産業に切り替わる。
  • 仁義亡き戦いは一度始まったら終らない。

結果的に、製造業は最終的にこのような過当競争になる運命なのである。
そして、過当競争で厳しくなった業界(今回で言えば自動車産業)は
ラスト・マン・スタンディング(最後の一人)になるまで戦いつづける旅に出るのだ。

トヨタとホンダはこれまで上手くやっていたが、これからはその関係は「過去の思い出」として語られるだろう。

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マイクロソフトの時代は終った。:15年で使命を終えたWindowsの宴の後。

Posted on 2009-4-29 by admin under Economics, IT, International, enterprize.

マイクロソフトに2つのニュースが飛び交った。
一つはMS初の減収というニュースだ。
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS2N2302E%2024042009

2009年1-3月期の売上は、前年同月比6%減少した。
OS部門に至っては同16%の減少だ。

WindowsはMS-DOSの進化系として、Machintoshのインターフェイスを真似た
Windows95を皮切りに世界中のPCの標準OSとして浸透した。

また、MSはWindowsの優位的立場を利用して
ブラウザー、オフィススイート、など多くの分野で
競合他社を駆逐してきた。

しかし、現代のWEBベースのアプリケーションや
アーキテクチャーニュートラルのソフトウェア思想に
徐々に侵食され、いまやかつての勢いは見る影も無い。

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もう一つの象徴的なニュースは、
次期OS Windows7に関することだ。

Vistaの売上が鈍いのでWindows7はRC(Release Candidate)版を
4月末にリリースすることにして、実質発売の前倒しを宣言した。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/27/23291.html

Windows7はWindowsXPの互換モードを搭載した。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/27/23290.html

Windows7はVistaがメインメモリを2GB消費するのに対して
機能を絞って512MBでも動作するよう保証した。

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さらにこういう記事もある。
中古・再生PCに対して、正規Windowsオペレーティングシステムのライセンスを
再提供する「Microsoft Authorized Refurbisher(MAR)プログラム」を発表した。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090424_153781.html

これらのニュースが象徴する出来事は以下のとおりである。

・パーソナル市場のOSはXPの性能で十分である。
・PCのコストに対して、OSのコストは高すぎる(100ドル)
・一般ユースであれば、実質30ドル程度のLinuxで十分である。

よって、マイクロソフトがOS市場を独占していることは
害はあっても社会全体の利益にはならない。

マイクロソフトがそれに気付かず
旧体制維持をしようとすればするほど、
自壊へのストーリーは速度を速めていく。

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既存体制に成り下がったソニーに明日はない。

Posted on 2009-4-28 by admin under Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing.

ソニーがiPodを追撃できないというブログに反響が大きかった。

ソニーに限らずこの問題は、現代の勝ち組、負け組の構図を
簡単に表せるので、深掘りしていきたい。

そもそも人類の成長とは「既成概念や既存体制」の破壊によって生まれてきた。

これは経済的成長だけではなく、文化的にも、政治的にもである。

時にはそれが暴力を伴っうものであったり、
あるいは話し合いで行われることであったり、
あるいは不慮の事故が原因であったりと、
理由は様々である。

しかし一様に考えられるのは、既存体制の王者がその座を降りたとき、
人類は成長を遂げているのだ。

ソニーは「歩いているときに音楽なんて聴かない」
なんていう既成概念を破壊した。

しかしその後のソニーは利益を得るために、
CDや音楽に関する市場の重要なポジションを特許や権利という形で独占し、
排他的な市場を築き上げた。

WinnyはP2Pという技術で音楽ファイルの交換を実現し、
ユーザーがもっているMP3ファイルを
ユーザー同士で交換させた。

音楽が無料になってはソニーはCDの特許料も入らなくなってしまうし、
さらにSME(ソニーミュージック)なんていう会社も清算しなければならなくなる。

しかし、社会を一つの器として考えると、
そこでソニーが得られたであろう利益は、
Winnyを使ったユーザーが持っていっただけである。

つまり、世界全体で音楽に関する厚生的なパイは一切変わらず、
利益がソニーや音楽関係者から、「ユーザー」に移動したに過ぎない。

GDPで見ると確かに減ってはいるように見えるが、
本来CDの購入に3000円のコストを掛けていたユーザーが
他のことに3000円を使えるようになるわけだから、
経済全体のGDPには影響しないのである。

つまり結論をいえば、現代の技術を持ってすれば
ソニーの音楽関係の利権は不要となり、
本質的には1円も利益を上げることは不可能なのである。

それを法的(著作権法)を盾にして既存体制を守ろうとするソニーは
すでにチャレンジャー(市場の破壊者)ではなく、
「既得権を守る者」になってしまったのである。

司法や行政はこのようにイノベーションを阻害する要因(ソニーの立ち位置)を
きっちりと取り払い、オープンで公正な市場を構築するよう
目を光らせていなければいけない。

また、企業は破壊的技術を「見て見ぬふり」をするのではなく、
積極的に理解し、その時代にあったビジネスモデルへと
変革する必要があるのである。

ソニーがCDの版権や音楽関係利権を手放さない限り、
ソニーが復活することはあり得ない。

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mixiアプリの挑戦:日本版でOpensocialは普及するか?

Posted on 2009-4-27 by admin under IT, International, Japan, marketing, venture.

mixiはGoogleが推し進めるOpenSocialに準じて、mixiアプリの仕様を公開した。

mixiは日本で最大規模のSNSだが、
これまでは中に閉じたクローズとのサービスとなっていた。

OpenSocialは業界内で共通のAPI仕様により
他のSNSとも連携してアプリケーションを作成することが出来る。

ユーザーは公開されたアプリを自分のサイトにインストールすることで、
SNSの利用形態を拡張することが出来る。

そもそもOpenSocialはFacebookというSNSが盛隆を誇った概念を
そのままGoogleが中心となってFacebook包囲網として考え出した仕様である。

背景にはFacebookがこれらのエコシステムによって莫大なユーザー数を誇り、
ネットサービスにおける最大級のプラットフォームになりかねない
というGoogleにとってのリスクをはらんでいるからだ。

Googleは得意の「Open」戦略で、自社方針の大義名分を保ちながら、
SNSの分野でもネットサービスにおける覇権を奪う作戦を立てている。

mixiはアプリの売上の8割を開発者にフィードバックするという、
破格の条件を提示した。

mixiはオープンAPIの力を借りてどこまで大きく成長できるだろうか。

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ソニー Walkmanには一生できない、iPod追撃の悲劇

Posted on 2009-4-26 by admin under Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing, venture.

ソニーが新型Walkmanを発表した。
対抗馬はなんと言ってもAppleのiPod。

iPodはシリコンオーディオプレイヤーの50%のシェアをもつマンモス商品だ。

Walkmanの新機種のXシリーズは、全面タッチパネルや
アイコン表示、Youtube動画閲覧や、無線LAN搭載、
さらにはネット閲覧、PodCastダウンロードもできるなど、
iPod以上に、iPhoneを意識した仕様になっている。

しかし、ソニーの最大のアピールポイントは「音質」だそうだ。
98%ものノイズをカットして高音質を実現できるという。

元来ソニーのウォークマンは
最先端デバイスとしてではなく、音楽を持ち歩くという
新しいライフスタイルを提案するための商品だった。

それがいつの間にか、他社のヒット商品を分析し、
自社が劣っている点を改善するという
いわゆる「サラリーマン型の商品企画」に陥ってしまった。

ここにソニーの自壊の原因が垣間見える。

本来、既存の体制をぶち壊し、業界のトレンドを一気に変えてしまうのが
ソニーの爆発力であり、潜在的な競争力ではなかったか?

いまやソニーはSME(ソニーミュージック)のコンテンツや、
BD(ブルーレイディスク)、CD(コンパクトディスク)の権利や版権、特許などを
高く売り続けるための「旧体制維持派」に下ってしまった。

ユーザーは既存の業界に縛られた音楽配信など興味がないし、
WinnyやWINMXでダウンロードした「違法だが無料」のコンテンツで満足してしまっている。

ソニーはそれを「見て見ぬふり」をしながら商品開発し、
旧体制を維持するための仕組み作りをいつまでも続けるつもりなのだろう。

ソニーは全てをオープンにして、エコシステムを構築できるだろうか?

新型PSPでは外部リソースを使ったコンテンツ配信もウワサされているが、
今のソニーにそこまでの爆発力や突破力は無いのではないか?

いつのまにかチャレンジャーの座にいられなくなったソニーに明日はない。

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橋下知事の挑戦:官僚機構は成果主義で変われるのか?

Posted on 2009-4-25 by admin under IT, Japan, Politics.

大阪府の橋下知事が部局長クラスに成果主義を導入した。

これまで官僚は上司の指示に従って行動するのが
基本であり、自らのクリエイティブに基づいて行動するのは異端とされていた。

官僚機構の組織形態を学術的に述べると、
「命令系統一元化の原則」に基づき、さらに統制と規律を求められる構造である。

地方自治体では、知事が最高権力者となるが、
以下の職員は基本的に上司の命令に基づいて職務を行う。

橋下知事の今回の提案には、部局長クラスに年間のマニフェストを提案させ、
それが実行できたかどうかを問うものであるという。

しかし今や一般企業では多くの企業に成果主義や能力主義は導入されている。

それらが導入されていない企業でも、
目標管理(MBO=Management by objective)という制度に基づき
年間の個人目標と部門目標が一致するように行動計画を定めるのは常識だ。

ところがこれまでの官僚の世界では、成果主義どころか
目標管理という観点ですら職務管理がされてきていない。

橋下知事の行動は大きな波紋を呼ぶだろうが、
日本の政治における歴史に残る賞賛されるべき取組みである。

日本が現在のように戦後の高度成長を忘れられず、
過去の成功体験にしがみついて旧体制を崩せない最大の要因は
肥大化した官僚機構である。

官僚は自己ポジションの保身に走り、
組織を維持するために仕事を作り出す。

自由競争や規制の少ないオープンな市場は
すぐに官僚たちによって「整備の対象」になり、
余分な規制や過剰な規制があっというまに敷かれてしまう。

これらが日本の企業に改革の目を萎めさせ、
新しい産業やパワーのあるベンチャー企業の発展を妨げた。

高度成長期において官僚機構は社会インフラを積極的に整え、
日本の経済成長に大きく寄与したことは間違いの無い事実である。

しかし1990年にバブルが崩壊してからは
その肥大化した組織と市場への介入が長期的な日本の競争力を削ぎ
落としたことも疑いの無い事実である。

官僚機構の最大の問題である人事評価に
成果主義を導入した橋下知事は、日本の将来を占う試金石である。

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アマゾン・ウェブサービスの戦略:世界のコンピュータは5つあればよい

Posted on 2009-4-24 by admin under IT, International, enterprize, venture.

世界が金融危機を発端にした不況に苦しむ中、
アマゾンの業績が好調だ。

2009年4月23日に発表した
2009年1-3月期の売上高は18%増の49億ドル、
純利益は24%増の1.7億ドルである。

利益率こそ他のIT企業と比較すると低いレベルだが、
もともと物販・小売であることを考えると、
CEOのベゾス氏の手腕は賞賛されるレベルである。

しかしアマゾンをいまや小売業や通販業者として捉えるのは大間違いである。

2009/4/23日付のアマゾンのIRページにおける財務ハイライトには
ベゾスCEOからのこのようなコメントが掲載されている。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=irol-newsArticle&ID=1280110&highlight=

下記13件の内訳をみると、

・電子書籍リーダーのKindleに関する話題:2件
・クラウドサービスである、AWSの話題:3件
・小売に関する話題:5件
・その他新サービスや新ローンチ:3件

となっている。

*   Amazon.com introduced Kindle 2, the new reading device that
offers Kindle’s revolutionary wireless delivery of content in a new
slim design with longer battery life, faster page turns, a crisper
display, and over seven times more storage. The Kindle Store offers more
than 270,000 books, including 104 of 112 New York Times Best Sellers,
plus top U.S. and international newspapers and magazines.

* The Company launched “Kindle for iPhone and iPod touch,” a free
application that allows customers to enjoy Kindle titles on the iPhone
and iPod touch. Amazon’s Whispersync technology saves and synchronizes
customers’ bookmarks across their original Kindle, Kindle 2, iPhone and
iPod touch.

* Amazon Web Services (AWS) announced the public beta of Amazon
Elastic MapReduce. Utilizing a hosted Hadoop framework, this new service
enables businesses, researchers, data analysts and developers to easily
and cost-effectively process vast amounts of data using Amazon Elastic
Compute Cloud (Amazon EC2) and Amazon Simple Storage Service (Amazon S3).

* AWS introduced Reserved Instances, an additional pricing option
for Amazon EC2 that gives developers the opportunity to make a low,
one-time payment to reserve capacity and further reduce hourly usage
charges.

* AWS and IBM announced a relationship that will allow developers to
run some of IBM’s most popular software on top of Amazon EC2. Customers
can pay by the hour for the software, bring their own existing licenses
with no additional software fee, or use free versions in the cloud for
development and test purposes.

* North America segment sales, representing the Company’s U.S. and
Canadian sites, were $2.58 billion, up 21% from first quarter 2008.

* International segment sales, representing the Company’s U.K.,
German, Japanese, French and Chinese sites, were $2.31 billion, up 15%
from first quarter 2008. Excluding the unfavorable impact from
year-over-year changes in foreign exchange rates throughout the quarter,
International sales grew 28%.

(小売)    * Worldwide Media sales grew 7% to $2.72 billion, compared
with $2.54 billion in first quarter 2008.

* Worldwide Electronics & Other General Merchandise sales grew 38%
to $2.05 billion, compared with $1.48 billion in first quarter 2008, and
increased to 42% of worldwide net sales compared with 36%.

* Items shipped on behalf of sellers who utilized Fulfillment by
Amazon increased by more than 300% from the prior year.

* The Company launched its latest mobile application, “Amazon App
for BlackBerry.” Available for free download on any BlackBerry with a
track ball, the application offers customers a quick and simple way to
find, discover and buy products on Amazon.com.

* Amazon launched its MP3 music service in Germany, offering more
than 5 million DRM-free songs from all four major labels and hundreds of
independent labels that can be played on any MP3 player.

* Amazon.com’s Video Game store beta-launched the Amazon Video
Games Trade-In service, allowing customers to receive an Amazon.com Gift
Card in exchange for eligible video games.

もはやアマゾンは小売業だけではないのだ。
アマゾンの事業で最も注目されているサービスはAWSである。

AWS(Amazon Web Service)は
クラウドコンピューティングサービスの草分けである。

EC2(Elastic Computer Cloud)と
S3(Simple Strage Service)が主なサービスとして機能している。

EC2、S3はアマゾンが用意するサーバー群やストレージ(記憶領域)
を使用時間や、容量に応じて課金するサービスである。

その利用柔軟性の高さと、低価格が相まって、
世界中のIT企業がこれに飛びついた。

スタートアップのIT企業は投資を抑えたいが、
IT企業として大規模なサーバー群やストレージを用意する必要がある。

特にポータルサービスや、SaaSを世界規模で運営するとなれば、
そのボリュームは膨大になる。

アマゾンのクラウドサービスは自社でサーバーやストレージを用意するよりも
ずっと低価格で、安全な手段となった。

AWSのユーザーとして公表されているのは下記の企業である。

・オンライン同期ストレージサービスで、
世界中のクリエイターが利用している「DropBox」

・NewyorkTimesのアーカイブ記事

・コメント投稿サービスTwitter

先進企業から、古参メディアまで、幅広く利用が進んでいる。

サービスが小さい頃は少量の利用で済ませ、
ブレイクしたら大規模に利用する。

まさに「Elastic=柔軟な」サービスである。

先日オラクルに買収されたサンマイクロシステムズのCTOが
かつてこう言っていた。

「世界にコンピューターは5つあればよい」

企業が自社の電気を発電していないように、
企業が自社でコンピューターソースを持つ必要が、将来なくなっていく。

ウェブ上から必要なサービスを必要なだけ利用し、
さらに必要なコストだけを支払う。

そのために世界にコンピューターは5つあればよい。
(5つというのは象徴的な数字であって、現実にはもっとあると思う。)

アマゾンのウェブサービスを始め、
MicrosoftのAzure
GoogleのGmail
オンラインドキュメントのZoho
SaaS-CRMのSalesForce.com

などといったサービスだけで、
企業や個人のコンピューティングは全て済んでしまう。

オープンソースとクラウドソースで、
社会を支えるコンピューティングシステムは
一気に変革を遂げようとしている。

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iPhoneアプリ10億DLの衝撃:ケータイの延長線上に無いAppleのマーケティング力とは?

Posted on 2009-4-23 by admin under Economics, IT, International, marketing.

iPhoneアプリが10億ダウンロードを記録しようとしている。

AppleのKeynoteの発表によれば
全世界の80カ国でiPhoneは発売されていて、
累計販売台数は1700万台である。

またiPhoneの電話機能が無い、「iPod Touch」は
全世界で1300万台が売られている。
次世代iPhoneは6月に公開される見込みだ。

iPhoneには電話以外にGoogleマップや、Youtubeの閲覧など
様々な機能を有しているが、最もこのデバイスの魅力を上げているのは
後から追加できるアプリケーションの数々だ。
2008年6月より始まった、AppStoreでは
iPhone/ipodtouch専用のアプリケーションが
ボタン一つでダウンロードでき、即座にインストールされる。

これにより無限に機能を追加して、iPhone/ipodtouchの
機器としての魅力を高めることが出来るのだ。

そしてこのアプリ群はAppleが開発しているのではなく、
そのほとんどを一般企業や一般の開発者が作っているのである。

アプリには無料のものだけではなく、有料のものもある。
有料ソフトの収益の3割はAppleにいくが、7割は開発者に渡る。

最小金額は115円からとなっており、クレジットカードの取引手数料も要らなければ、
ホスティング費用もかからない。さらに収益は週次で支払われる。

ObjectiveーCという特殊な言語と、Macでの開発環境が必要であるが、
プログラマなら世界で3000万人向けに少額決済ができるモデルは
世界に現有するエコシステムの中でも最高峰の魅力を備える。

IT業界のトレンドはエコシステムの構築である。
自社でサービスの全てを用意するにはエネルギーも経営資源も莫大なものが必要になる。

そこでソフトウェアの仕様の一部を公開して、
第三者がアプリケーションの開発に参画できることを目的とするのがエコシステムである。

エコシステムは本来「生態系」という意味だが、
これにより、第三者から思わぬアイデアで、
爆発的なヒットとなるケースもまれではない。

調子づいたアップルは6月のiPhoneOS3.0へのアップデートにより、

  • 課金システムの多様化
  • APIの1000件の追加
  • 周辺機器との通信規格の策定
  • 100の新機能の盛り込み

と余念がない。

iPhoneは既存の携帯ビジネスの延長線上にはない。
パーソナルコンピューティングとテレフォニーの融合だけではなく、
周辺機器を持つことによって、全てのデバイスをコンピューティングするという
「ユビキタス」の社会を実現するための最先端のデバイスとなった。

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ネットブックに群がる企業:富士通・シャープは自壊の道を進むのか?

Posted on 2009-4-23 by admin under Asia, Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing.

5万円前後のミニノートをネットブックという。
台湾のマザーボード最大手のASUSが1昨年に市場を切り開き、
世界中で爆発的に売れた。

ここに来て、昨年にはNEC、東芝が参入、
さらにソニーはやや独自性のある内容で高めのラインナップで参入、
そしてこの夏の製品から、シャープと富士通が参入した。

中小のメーカーであるエプソン、オンキヨー、マウスなどは
すでにこの市場に参入しており、
シャープと富士通は、最も遅い組である。

元来、ノートPCの現代の市場を見事に開拓したのはソニーであった。
それまでの無骨なデザインに決別し、マグネシウム合金を使った
スタイリッシュで軽量のノートPCをVaioという名でリリースし、
「持ち歩きたくなるノートPC」ということで一世を風靡した。

しかしその後、ノートPCにパラダイムシフトは訪れず、
インテルとマイクロソフトが策定する規格に準じて
ひたすら高機能・高付加価値の製品開発をたどることとなった。

その背景にあるのは下記の2つの日本企業の独特の文化である。

(1)高付加価値にすれば、コストパフォーマンスは上がり、
ユーザーは価値に基づいた価格を払ってくれる。
企業が想定している「ユーザー」は常に今の機能や仕様に不満を持っており、
まだまだ改善の余地がある。
マーケティングに「足し算」はあっても「引き算」はない。

(2)日本人の高い給与を払うには、高付加価値の製品を作るしかない。
誰でも作れる安価なPCは収益が少なく、
日本人の給与を十分に払えない。

これらの独特の文化や価値観は世界ではガラパゴス(進化を忘れた孤島)
といわれ、特にIT業界に多い。
それを今回はASUSという台湾メーカーによって破壊され、
日本メーカーは、これまで守り続けていた
空虚なブランドで売っていかなければならない。
方や25万円のノートPCとどうやって5万円のノートPCを売り分けるのか

そこに20万円の差額を出す「理想のユーザー」は存在するのか?

本当に日本人だけで開発し、世界を知らずして
今後のさらに激化する競争にどうやって対応するのか?

最も遅く参入し、仕方なく参入した富士通とシャープは
日本PC産業の自壊の象徴である。

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改正産業再生法:日立とパイオニアは潰れてははいけないのか?

Posted on 2009-4-22 by admin under Economics, Japan, Politics, enterprize.

今日、国会で改正産業再生法が可決された。
国が民間企業の、特に大企業に対して特例的に資本出資し、
経営難の局面を打開する手助けをすると言うことである。

産業再生法は正しくは「産業活力再生特別措置法」といい、
バブル崩壊後の経済的苦境を脱するための、政府による民間介入の措置手段である。
これまでにはダイエー、カネボウ、など
大手企業も含めて4000社以上が対象となっているようである。
今回はこれに加えて日立とパイオニアが対象になるというニュースが流れている。

一般的に言って、二つの大きな論理(意見)によって
この手の措置は相反する意見に集約される。

(1)大企業が潰れるとそれに伴う、銀行や中小企業など
これまでの取引関係に連鎖倒産が起こり、
大規模な経済的停滞につながりかねない。
また、企業倒産は多くの雇用を失うことから、
放っておくことにより社会全体に対する経済的影響が甚大になる。
国による一時的な資金供給でその企業が倒産を免れ円滑な経済運営が
その後も続けば社会に負の影響を少なくすることが出来る。

(2)大手だろうが中小だろうが、経営に失敗した際に
経営者とその債権者および株主が、損失を被ったり、
あるいは断罪されることは、社会に正当な新陳代謝をもたらし、
人類や経済における進化を遂げる。
古い体質や経営的に低レベルの企業は淘汰されてしかるべきであるし、
そうならなければゾンビ企業によって社会の大切な資源
(人材、資本、資産、ノウハウ)が有効に活用されないという意味で
社会全体の長期的衰退を招く。
それ以前に政府の介入は市場競争に勝ったものに対する
報酬を減少させるという意味で、不当介入である。

私の意見は当然のことながら(2)である。
社会において正当な新陳代謝はしかるべき措置である。

市場で淘汰された企業が堂々と政府の援助をもらって生き延びることを
資本市場や労働市場、あるいは国際社会における
自由競争、市場原理はどのように評価するのか?

またこのようなことが堂々とまかり通るということが
これから起業しようとする人々や、
正当に競争して競合を打ち負かそうとしている企業の
モチベーションやインセンティブにおけるマイナス要素を考慮したとき、
日本の長期的な衰退を加速するだけであるということを
政治家は誰もわからないのだろうか?

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