mixiアプリの挑戦:日本版でOpensocialは普及するか?

Posted on 2009-4-27 by admin under IT, International, Japan, marketing, venture.

mixiはGoogleが推し進めるOpenSocialに準じて、mixiアプリの仕様を公開した。

mixiは日本で最大規模のSNSだが、
これまでは中に閉じたクローズとのサービスとなっていた。

OpenSocialは業界内で共通のAPI仕様により
他のSNSとも連携してアプリケーションを作成することが出来る。

ユーザーは公開されたアプリを自分のサイトにインストールすることで、
SNSの利用形態を拡張することが出来る。

そもそもOpenSocialはFacebookというSNSが盛隆を誇った概念を
そのままGoogleが中心となってFacebook包囲網として考え出した仕様である。

背景にはFacebookがこれらのエコシステムによって莫大なユーザー数を誇り、
ネットサービスにおける最大級のプラットフォームになりかねない
というGoogleにとってのリスクをはらんでいるからだ。

Googleは得意の「Open」戦略で、自社方針の大義名分を保ちながら、
SNSの分野でもネットサービスにおける覇権を奪う作戦を立てている。

mixiはアプリの売上の8割を開発者にフィードバックするという、
破格の条件を提示した。

mixiはオープンAPIの力を借りてどこまで大きく成長できるだろうか。

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ソニー Walkmanには一生できない、iPod追撃の悲劇

Posted on 2009-4-26 by admin under Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing, venture.

ソニーが新型Walkmanを発表した。
対抗馬はなんと言ってもAppleのiPod。

iPodはシリコンオーディオプレイヤーの50%のシェアをもつマンモス商品だ。

Walkmanの新機種のXシリーズは、全面タッチパネルや
アイコン表示、Youtube動画閲覧や、無線LAN搭載、
さらにはネット閲覧、PodCastダウンロードもできるなど、
iPod以上に、iPhoneを意識した仕様になっている。

しかし、ソニーの最大のアピールポイントは「音質」だそうだ。
98%ものノイズをカットして高音質を実現できるという。

元来ソニーのウォークマンは
最先端デバイスとしてではなく、音楽を持ち歩くという
新しいライフスタイルを提案するための商品だった。

それがいつの間にか、他社のヒット商品を分析し、
自社が劣っている点を改善するという
いわゆる「サラリーマン型の商品企画」に陥ってしまった。

ここにソニーの自壊の原因が垣間見える。

本来、既存の体制をぶち壊し、業界のトレンドを一気に変えてしまうのが
ソニーの爆発力であり、潜在的な競争力ではなかったか?

いまやソニーはSME(ソニーミュージック)のコンテンツや、
BD(ブルーレイディスク)、CD(コンパクトディスク)の権利や版権、特許などを
高く売り続けるための「旧体制維持派」に下ってしまった。

ユーザーは既存の業界に縛られた音楽配信など興味がないし、
WinnyやWINMXでダウンロードした「違法だが無料」のコンテンツで満足してしまっている。

ソニーはそれを「見て見ぬふり」をしながら商品開発し、
旧体制を維持するための仕組み作りをいつまでも続けるつもりなのだろう。

ソニーは全てをオープンにして、エコシステムを構築できるだろうか?

新型PSPでは外部リソースを使ったコンテンツ配信もウワサされているが、
今のソニーにそこまでの爆発力や突破力は無いのではないか?

いつのまにかチャレンジャーの座にいられなくなったソニーに明日はない。

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アマゾン・ウェブサービスの戦略:世界のコンピュータは5つあればよい

Posted on 2009-4-24 by admin under IT, International, enterprize, venture.

世界が金融危機を発端にした不況に苦しむ中、
アマゾンの業績が好調だ。

2009年4月23日に発表した
2009年1-3月期の売上高は18%増の49億ドル、
純利益は24%増の1.7億ドルである。

利益率こそ他のIT企業と比較すると低いレベルだが、
もともと物販・小売であることを考えると、
CEOのベゾス氏の手腕は賞賛されるレベルである。

しかしアマゾンをいまや小売業や通販業者として捉えるのは大間違いである。

2009/4/23日付のアマゾンのIRページにおける財務ハイライトには
ベゾスCEOからのこのようなコメントが掲載されている。
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=irol-newsArticle&ID=1280110&highlight=

下記13件の内訳をみると、

・電子書籍リーダーのKindleに関する話題:2件
・クラウドサービスである、AWSの話題:3件
・小売に関する話題:5件
・その他新サービスや新ローンチ:3件

となっている。

*   Amazon.com introduced Kindle 2, the new reading device that
offers Kindle’s revolutionary wireless delivery of content in a new
slim design with longer battery life, faster page turns, a crisper
display, and over seven times more storage. The Kindle Store offers more
than 270,000 books, including 104 of 112 New York Times Best Sellers,
plus top U.S. and international newspapers and magazines.

* The Company launched “Kindle for iPhone and iPod touch,” a free
application that allows customers to enjoy Kindle titles on the iPhone
and iPod touch. Amazon’s Whispersync technology saves and synchronizes
customers’ bookmarks across their original Kindle, Kindle 2, iPhone and
iPod touch.

* Amazon Web Services (AWS) announced the public beta of Amazon
Elastic MapReduce. Utilizing a hosted Hadoop framework, this new service
enables businesses, researchers, data analysts and developers to easily
and cost-effectively process vast amounts of data using Amazon Elastic
Compute Cloud (Amazon EC2) and Amazon Simple Storage Service (Amazon S3).

* AWS introduced Reserved Instances, an additional pricing option
for Amazon EC2 that gives developers the opportunity to make a low,
one-time payment to reserve capacity and further reduce hourly usage
charges.

* AWS and IBM announced a relationship that will allow developers to
run some of IBM’s most popular software on top of Amazon EC2. Customers
can pay by the hour for the software, bring their own existing licenses
with no additional software fee, or use free versions in the cloud for
development and test purposes.

* North America segment sales, representing the Company’s U.S. and
Canadian sites, were $2.58 billion, up 21% from first quarter 2008.

* International segment sales, representing the Company’s U.K.,
German, Japanese, French and Chinese sites, were $2.31 billion, up 15%
from first quarter 2008. Excluding the unfavorable impact from
year-over-year changes in foreign exchange rates throughout the quarter,
International sales grew 28%.

(小売)    * Worldwide Media sales grew 7% to $2.72 billion, compared
with $2.54 billion in first quarter 2008.

* Worldwide Electronics & Other General Merchandise sales grew 38%
to $2.05 billion, compared with $1.48 billion in first quarter 2008, and
increased to 42% of worldwide net sales compared with 36%.

* Items shipped on behalf of sellers who utilized Fulfillment by
Amazon increased by more than 300% from the prior year.

* The Company launched its latest mobile application, “Amazon App
for BlackBerry.” Available for free download on any BlackBerry with a
track ball, the application offers customers a quick and simple way to
find, discover and buy products on Amazon.com.

* Amazon launched its MP3 music service in Germany, offering more
than 5 million DRM-free songs from all four major labels and hundreds of
independent labels that can be played on any MP3 player.

* Amazon.com’s Video Game store beta-launched the Amazon Video
Games Trade-In service, allowing customers to receive an Amazon.com Gift
Card in exchange for eligible video games.

もはやアマゾンは小売業だけではないのだ。
アマゾンの事業で最も注目されているサービスはAWSである。

AWS(Amazon Web Service)は
クラウドコンピューティングサービスの草分けである。

EC2(Elastic Computer Cloud)と
S3(Simple Strage Service)が主なサービスとして機能している。

EC2、S3はアマゾンが用意するサーバー群やストレージ(記憶領域)
を使用時間や、容量に応じて課金するサービスである。

その利用柔軟性の高さと、低価格が相まって、
世界中のIT企業がこれに飛びついた。

スタートアップのIT企業は投資を抑えたいが、
IT企業として大規模なサーバー群やストレージを用意する必要がある。

特にポータルサービスや、SaaSを世界規模で運営するとなれば、
そのボリュームは膨大になる。

アマゾンのクラウドサービスは自社でサーバーやストレージを用意するよりも
ずっと低価格で、安全な手段となった。

AWSのユーザーとして公表されているのは下記の企業である。

・オンライン同期ストレージサービスで、
世界中のクリエイターが利用している「DropBox」

・NewyorkTimesのアーカイブ記事

・コメント投稿サービスTwitter

先進企業から、古参メディアまで、幅広く利用が進んでいる。

サービスが小さい頃は少量の利用で済ませ、
ブレイクしたら大規模に利用する。

まさに「Elastic=柔軟な」サービスである。

先日オラクルに買収されたサンマイクロシステムズのCTOが
かつてこう言っていた。

「世界にコンピューターは5つあればよい」

企業が自社の電気を発電していないように、
企業が自社でコンピューターソースを持つ必要が、将来なくなっていく。

ウェブ上から必要なサービスを必要なだけ利用し、
さらに必要なコストだけを支払う。

そのために世界にコンピューターは5つあればよい。
(5つというのは象徴的な数字であって、現実にはもっとあると思う。)

アマゾンのウェブサービスを始め、
MicrosoftのAzure
GoogleのGmail
オンラインドキュメントのZoho
SaaS-CRMのSalesForce.com

などといったサービスだけで、
企業や個人のコンピューティングは全て済んでしまう。

オープンソースとクラウドソースで、
社会を支えるコンピューティングシステムは
一気に変革を遂げようとしている。

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エコシステムを構築せよ。全ての産業は外部リソースを活用して成長する。

Posted on 2009-3-18 by admin under Economics, IT, enterprize, venture. Tags: , , , , , ,

エコシステムという概念がある。

エコシステムとは本来、自然界の生態系を表す意味だったが、
昨今では特定の産業や市場において第三者間が利害を一致して協力する体制を意味する。

かつて企業間で競争と同時に協力を行う体制を「co-operation経営」と呼ばれたこともあったが、
今回紹介するエコシステムはもっと奥深いモノである。

世界最大のエコシステムプロジェクトはLinuxである。

LinuxはオープンソースのOSであり、
世界中のウェブサーバーで標準OSとして稼働している。

Linuxはフィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナストラバース氏によって開発され
その後オープンソースとして普及していった。
オープンソースのOSの登場は世界中の開発者が待ちわびていた事実であり、
そしてそれは世界中の開発者がボランティアとして機能の改善や問題点の修復に参加した。 

いまやオープンソースで提供されていないソフトウェアは皆無に近く、
あらゆる分野のソフトがオープンソース化している。

しかるにこれらはエコシステムという概念で言い表せる。

世界中の開発者はLinuxの普及と機能強化が自分自身の利益と一致するため
自らボランティアになる道を選んだのだ。

このようなエコシステムは高度に水平分業されたIT業界において、
業界内における垂直統合を作る手助けをしている。

それと同時に、大規模なサービス開発は、既に一企業だけで開発するには
リソース不足になると同時に経営的にも大きなリスクを負うことになってしまう。

これを解消するのが、第三者のリソースを活用するエコシステムという概念である。

第三者のリソースを活用することで
多種多様なアプリケーションの開発や、スピーディな事業展開が可能となる。

それに呼応するかのように、世界中の情報交換コストは実質無料に近づき、
特にITの分野やノウハウ分野ではエコシステムの活用がその企業の命運を決めると言っても過言ではない。

いまはエコシステムは企業が存続する上で必須条件となった。

自社で機密を囲い込み、少ないリソースで垂直統合ビジネスを構築するのではなく
情報をオープンに誰でもアクセスできるようにして、
第三者とともに市場の発展を目指す、そんなソサエティと未来がそこにある。

知識資本社会の真の成長エンジンはエコシステムの構築にあるのだ。

 

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知識が時空を超える。情報交換コスト無料の衝撃。

Posted on 2009-2-28 by admin under Economics, IT, International, enterprize, venture. Tags: , , , , ,

情報交換コストの無料化が企業経営の構造を変革する。

100年に一度の危機に隠れて今進行している現実を見よ

世間のニュースは100年に一度の危機の解説に余念が無い。

しかし世間は「危機だ、危機だ」と騒いでいるだけで、
未来像を探そうとはしていない。

そんな思考停止の人々は置いておいて、
未来がどうなるかを考察しよう。

~~~~~~~

情報交換コストの無料化が世界を変える。

今現在、世界で進行中の出来事で、
人類の未来に大きなインパクトを与える出来事はなんだろうか?

私はそれは「情報交換コストの無料化」であると思う。

ムーアの法則に代表されるように、
CPU、メモリ、HDDの低価格化が猛烈な勢いで進んでいる。
これらのPC性能の向上は1.8年で2倍になり、
同じ性能ならばコストは1.8年で半分になるのである。

限界計算費用(1計算あたりのコスト)は実質無料になり、
これが「情報交換コスト」を実質無料にしつつある。

情報交換とは、手紙、電話、FAX、など
何らかのメディアを通じた「知識の共有」である。

Aさんが知っている知識を上記メディアを介してBさんに教える。
これが情報交換ということであり、知識の共有ということである。

知識の共有が進むとどうなるかというと、
さらに付加価値の高い知識が生まれる。

日本の歴史に詳しいAさんが
米国の歴史に詳しいBさんと知識の共有をすることで
新しい歴史観が生まれることがある。

このように「知識は代替することなく、補完しあって
その価値を高めていく
」ことが出来るのである。

しかしこれまでは情報交換に大きなコストが掛かっていた。
手紙は1通50円、電話は1分10円、FAXは1通30円といったように
情報の交換には常にコストが掛かっていた」のである。

これらの情報交換のメディアを担っていたのは
行き着く先は人的資源であるが、
近代の急速な機械化によって、
これらの情報交換技術はコンピューターで置き換えられるようになった。

~~~~~~

既存の情報交換手段は駆逐される。

手紙、電話、FAXなどの旧世代メディアは、
電子メール、Skype、テレビ電話など、
多くの新技術としてPC上で展開されていった。

これらの価格が帰結する先はPCの計算コストであり、
それは即ちPC自体のコストに依存する。

そこに爆弾を投下するのがムーアの法則である。

PCが低コスト化すればこれらの技術は年々安くなり、
そして実質無料の時代がやってくる。

いまや家庭内のブロードバンドは先進国では7割の家庭に普及し、
月額4000程度でも通信料は無制限になっている。

情報交換コストが無料になる時代は今すぐそこに来ているのである。

~~~~~~

はたして我々はこれからの時代、情報交換コストの無料化を
どのような形で享受すればいいのだろうか?

情報交換コストの無料化は、時間と空間を解き放ってくれる。
例えばテレビ電話ができれば、空間が関係なくなる。

手紙で時間が掛かっていたものが電子メールに置き換われば
時間が関係なくなる。

これを会社の経費削減と捉えるのは
浅はかな発想であることは言うまでも無い。

21世紀において、人々は時空を越えて
つながることが出来るようになったのだ。

~~~~~~~

オープン化で知識を世界中から集めよ。

時空を越えた知は何処に向かうのだろうか。
これは今や世界中の知識労働者の労働形態を
根本的に変えていくインパクトをもたらそうとしている。

これまで付加価値の低い単純労働のパートタイマーは、
3時間だけの労働といったように部分的な労働力の供給も行えた。

しかし、知識労働者はそのような短時間労働は労働力として成立していなかった。
知識労働者はある一定以上の拘束時間をもって
はじめて企業に知識を貢献出来てきたのである。

現実的に言い換えれば一つの企業に「1日あたり8時間」の
勤務ををしていないと労働者としての価値を与えられなかったのである。

しかし、これからの知識労働者は時空を越えることができる。

例えば広域に散らばる専門家たちが
毎日、「帰宅後の1時間」を
他の企業の経営戦略実現のためにあてることが出来る。

~~~~~~~

メール、電話、通信、TV会議、インターネット、データベース、
超低価格で様々なコミュニケーション(=情報交換)が行える環境は
知識労働の時間単位が極小化しても無限に積算できる
インフラストラクチャーとなっている。

小さな知識と戦略の積み重ねが
大きな一つの戦略として統合できるようになったのだ。

これにより優秀な知識労働者は時間と空間に縛られること無く、
世界中の企業の経営改善のために知恵を提供することができるようになった。

他方、世界中の企業は、優秀な知識労働者をリスクを持って高い費用で
直接雇用することなく、「必要な時に、必要なリソースだけ」
レンタルすることが出来るようになったのである。

~~~~~~

ナレッジオンデマンドが世界を変える。

このコンセプトにより、
世界中の「知識労働の生産性」は爆発的に向上し、
「知識の最適資源配分」が急速に広まっていくことだろう。

究極の「ナレッジ・オンデマンド」の実現である。

知識労働者は自分の知識を定量化し、
ネットワーク・コミュニティに参加することが求められていく。

一方の企業側は、企業戦略をオープンにし、
幅広い知識労働者から自社の戦略実現の方策を
公募することが求められる。

これらは人間として、経営者として、企業として、
非常に大きな度量が必要となるが、
これをオープンに実現できる人間こそ、
21世紀において繁栄を築くことが出来る素地なのである。

「情報交換コストの無料化」は、
世界中の知識労働を一変させる爆発力を持っていることを忘れてはいけない。

現に、オープンソースで世界中の開発者が労働力を寄付した
Linuxは世界中のWEBサーバーの標準OSとなった。

同時に開発された、Apache、MySQL、PHPは
WEB世界のアプリケーションの全てを掌握している。

オープンソースで開発されたソフトウェアは
限界計算費用をさらに押し下げるという、
究極の「正のスパイラル」へと突入した。

事実として、知識労働革命はすぐ手元まで来ている。
知識労働は全ての産業の前提を変えてしまおうとしている。

知識労働革命による、
ナレッジオンデマンドは夢物語ではなく現実である。

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チリも積もれば山となる。新モデルのP2BはGDPの破壊者か、或いはサブプライムか?

Posted on 2009-2-2 by admin under Economics, IT, venture. Tags: , , , , ,

サラリーマンもスーパーコンピュータを使える時代

本ブログの「変革と潮流」で紹介したように、現在の限界計算費用の低減は
既存ビジネスに投下されるバズーカ砲のようなインパクトを内包している。

ムーアの法則に代表されるように、
PCの性能向上とハードディスクの低価格化には
歯止めが掛かる見通しがない。

超高性能パソコンが10万円という、平均的な先進国の
サラリーマンの月収の半分で手に入るようになった。

さらにインターネットによるネットワークによって
例えばグリッドコンピューティングなら
100万台のPCを簡単に連結させ、
強烈なインパクトをもたらすスーパーコンピューターを
仮想的に作り上げることが出来るようになった。

これらは世界の限界計算費用を実質ゼロ円にするインパクトをもたらす。

ゼロ円の情報交換コスト

計算コストは言い換えるならば情報交換コストだ。
我々は、話す、聞く、電話する、メールする、文書を送る、
など様々なコミュニケーション手段をもっているが、
これらは全て「情報の交換」と言い換えることが出来る。

これまでは電話やテレビ会議、文章の送付などに
コストが掛かっていた。

しかし、多種多様なインターネット経由のサービスで、
これらが実質1情報あたり、
限りなくゼロ円で交換できるようになった。

市民は月額4000円程度の固定通信費を払えば
ほぼ無制限に、これに近い機能を
ゼロ円で手にすることが出来る。

wikipediaが体現する未来予想図

いま、世の中では集合知の活用が急速に進んでいる。

Wikipediaはオンラインの百科事典だが、
全世界で幅広くサービスされており、
集合知によって世界最大の百科事典になっている。

管理する者もボランティアになっており、
「Wikipedia」は単なる運営母体という意志をもたない集団だ。

もし一企業がWikipediaと同等の百科事典を作ろうとしたら
いくらコストがかかるだろうか?

10万語を収録するだけでも
10億円くらい掛かるかもしれない。

つまり、Wikipediaは無償で、広く薄い知識の寄付で
莫大な価値を生み出してしまった。

まさに限界計算費用がゼロになったからできたことである。

さらに、これらは専門家無くして作り上げたことも
忘れてはならない。

Wikipediaは記事を書くのに、専門家に依頼しているのではない。
それを興味をもっている人物に書いてもらうだけである。

鉄道に関する知識をもつのは、鉄道会社の人間ばかりではない。
趣味で鉄道を愛している人も然りである。

こういう人たちを2次専門家と呼ぶ。
本業以外のことでも高度な趣味性によって、
専門家顔負けのことをやっている人も居る。

そのような知識を世界中で集めたら
ものすごい実体経済価値になる可能性がある。

実体経済とオーバーラップするP2B

一方で、Wikipediaの情報は玉石混交である。
中には適切なソースに基づかない情報もある。

同じような話はサブプライムローンを組み込んだ
CDOやCDSと同じだ。

一つ一つにはアブナイのもあるが、
全体を抱き合わせ販売すれば見えにくくなる。

Pear to Business は情報化社会のサブプライムになるのか。
それとも次世代の知識イノベーションを引き起こすのか。

人間の英知が問われている。

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起業家はGDPと逆相関の発想をもて

Posted on 2009-1-19 by admin under Asia, Economics, International, Japan, enterprize, venture. Tags: , , , , , ,

日本のGDPをゼロにしてしまえ。
既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂

起業家がビジネスモデルを考える際には
2つのアプローチがある。

一つは「現状ビジネスモデルの改善」であり、
もう一つが「現状ビジネスモデルの破壊」である。

「改善」というのは、これまで5000円で売られていたものを
4000円で売ろうとか、3000円にしようというものだ。

あるいはこれまで世の中は70点で満足していたものに、
80点のものや90点のものを提供するということである。

そこには自分の持つノウハウなど、特定の競争優位性(Strong)があり、
時代や社会背景の機会(Opportunity)と相まって、
新しいビジネスモデルになるという考え方だ。

========

一方で「現状ビジネスモデルの破壊」という考え方がある。
これは既存産業を駆逐し、
同業がバタバタと倒産するようなビジネスモデルである。

例えばこれまで5000円で売られていたものを
500円にするとか、無料にするとかいうことだ。

あるいはこれまで70点のモノしか世の中に存在しなかったのに、
700点とか1000点のモノが急に現われることである。

そうなると既存商売をしている人はたまらない。
自分の商売の価値が10分の1になってしまう。
あまりの市場の急変に耐え切れず倒産する企業も出てくる。

本来起業家が探求すべきことは、
このような破壊的ビジネスモデルなのである。
これこそが本来語られるべき「イノベーション」である。
=========
既存ビジネスを破壊するには、
概ねコストパフォーマンスを10倍くらいまで上げる必要がある。

そんなことが出来るのかという疑問があるだろうが、
これを実現する基本解はIT化に他ならない。

=========
ムーアの法則とグローバル水平分業のお陰で
CPU、HDD、メモリの単価は下落の一途をたどっている。
昨今の景気減速により半導体設備の余剰感は
さらに高まり、設備稼働率は低下する一方である。

そのためコンピューターの性能/価格比は
年率1.5倍で上昇している。
これがITの低コスト化を推し進め、
限界計算費用(1計算あたりのコスト)は実質ゼロ円になっている。

既存のビジネスモデルを破壊するにはこのITの活用が不可欠である。

ビジネスにはバリューチェーンという概念がある。
これは消費者を起点とし、付加価値の連鎖が
販売者、生産者、そこへの供給業者と連鎖していることを
概念的に表した言葉である。

私はこの付加価値の鎖を独自にレイヤーという呼び方をしている。
レイヤーとは「層」という意味である。

付加価値を決めるのはあくまでも消費者であって、
それがどういうサプライチェーンかは消費者にとって関係ない。

例えばiPhoneを買うのに、その中身がどの会社の半導体で作られているかは
購買に影響しない。

話がそれたが、
IT化による破壊的ビジネスモデルを構築するには
このような付加価値のレイヤーを一つずつ分解し
IT化による合理化がどのくらいまで出来るのかを
検討していく作業が必要となる。

IT化のポイントは人的作業であり、
人的作業の付加価値が多く、なおかつ単純計算作業が
多いものが、破壊されるターゲットとなる。

単純計算作業はIT化によって実質ゼロ円で構築できる。
即ちその部分を低コスト化できる有効な手段である。

このようにビジネスレイヤーの分解と、
単純計算作業のIT化で既存ビジネスを破壊していくのだ。

破壊は静かに行われ、ある日雪崩を打って業界を席巻し
既存業者を駆逐する。

こうなれば少なくとも単純計算作業を行っていた人は
早晩不要になり、これまで5000円払っていたものに
500円しか払わなくなるため、
その産業のGDPは10分の1に減少する。

一方で消費者はその余った4500円を他に使えるため、
GDPの減少が生活水準の低下にはつながらない。

不要となった単純計算作業者は
再教育によって付加価値の高い仕事に従事し、
その国に付加価値の高いもののみが残っていく。

これこそが真の産業イノベーションである。

短期的に潰れる企業が増えるとか、
派遣労働者が解雇されるだとか、
雇用が守られなくなるだとか、
近視眼的な産業保護・雇用保護は「長期的に競争力を失うだけである」

GDPと逆相関のことこそが
産業のイノベーションにつながり、
長期的な競争力の源泉となるのである。

起業家は既存産業の破壊を常に考えて欲しい。
日本のGDPをゼロにしてしまえ。

既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂なのである。

 

 

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