ネットブックに群がる企業:富士通・シャープは自壊の道を進むのか?
5万円前後のミニノートをネットブックという。
台湾のマザーボード最大手のASUSが1昨年に市場を切り開き、
世界中で爆発的に売れた。
ここに来て、昨年にはNEC、東芝が参入、
さらにソニーはやや独自性のある内容で高めのラインナップで参入、
そしてこの夏の製品から、シャープと富士通が参入した。
中小のメーカーであるエプソン、オンキヨー、マウスなどは
すでにこの市場に参入しており、
シャープと富士通は、最も遅い組である。
元来、ノートPCの現代の市場を見事に開拓したのはソニーであった。
それまでの無骨なデザインに決別し、マグネシウム合金を使った
スタイリッシュで軽量のノートPCをVaioという名でリリースし、
「持ち歩きたくなるノートPC」ということで一世を風靡した。
しかしその後、ノートPCにパラダイムシフトは訪れず、
インテルとマイクロソフトが策定する規格に準じて
ひたすら高機能・高付加価値の製品開発をたどることとなった。
その背景にあるのは下記の2つの日本企業の独特の文化である。
(1)高付加価値にすれば、コストパフォーマンスは上がり、
ユーザーは価値に基づいた価格を払ってくれる。
企業が想定している「ユーザー」は常に今の機能や仕様に不満を持っており、
まだまだ改善の余地がある。
マーケティングに「足し算」はあっても「引き算」はない。
(2)日本人の高い給与を払うには、高付加価値の製品を作るしかない。
誰でも作れる安価なPCは収益が少なく、
日本人の給与を十分に払えない。
これらの独特の文化や価値観は世界ではガラパゴス(進化を忘れた孤島)
といわれ、特にIT業界に多い。
それを今回はASUSという台湾メーカーによって破壊され、
日本メーカーは、これまで守り続けていた
空虚なブランドで売っていかなければならない。
方や25万円のノートPCとどうやって5万円のノートPCを売り分けるのか
そこに20万円の差額を出す「理想のユーザー」は存在するのか?
本当に日本人だけで開発し、世界を知らずして
今後のさらに激化する競争にどうやって対応するのか?
最も遅く参入し、仕方なく参入した富士通とシャープは
日本PC産業の自壊の象徴である。
