派遣切りより深刻な雇用ニュース:TIの筑波研究所閉鎖は日本への最後通告

Posted on 2009-5-22 by admin under Asia, Economics, IT, International, Japan, Politics, enterprize.

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http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo20090521AT1D2009K20052009.html

日経ニュースによると、日本TIは筑波の研究所を閉鎖した。

TIのホームページによると、TI筑波研究所は、TIの本拠地である米国以外で、はじめて設置された海外の研究所である。

ここにはDSPや画像処理技術など高度な半導体技術の開発拠点となっていた。

日本国内にTIの開発拠点はこの筑波と厚木しかなく、これにより、TIの日本国内開発拠点は一つになった。TIのリリースによれば、研究開発の拠点を米国とインドに移管すると言う。筑波の拠点に携わる人数は100人程度と多くは無いが、中身を考えると、これは日本の未来に突きつけられた最後通告である。

TIは世界で初めてIC(集積回路)を発明した創業70年以上の歴史ある企業であるが、現在はデジタルコンシューマー向け半導体デバイスの先端企業である。旧来からのアナログ回路技術を活かして、DSP(デジタル信号処理プロセッサ)に強みをもつ。携帯電話向けのDSPやBBP(ベースバンドプロセッサ)で世界最大のシェアを持つ企業である。

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ev088_lその企業が日本での開発をやめ、米国とインドに移管するという。

こには根深い問題があると考えられる。

半導体の開発拠点は典型的な知識労働である。近年の自由貿易世界や、フラット化、IT化した社会において、知識労働が付加価値の源泉になっていることは大きな潮流である。

単純労働や、知的ブルーカラー(単純計算)は中国か、パソコンに置き換わり、その単価は著しく低くなっている。中国の10億人の労働人口の参入で競争が激化しているからである。

日本のような高GDPを維持する先進国では、このような単純労働やブルーカラーでは高いGDPを維持することは出来ないのである。

つまり、社貝で働く人々が少しずつでも知識労働にシフトしていき、コンピューターや中国人では行えない仕事へと変わっていかなければいけない。

ey193_lしかし現在の日本の雇用政策は派遣切りの問題など、単純労働者の雇用を維持する場当たり、人気取りの政策ばかりであり、社会全体の知識労働へのシフトを促す産業構造転換にはなっていない。

そこにきてこのようなTIの知識労働拠点の撤退ニュースは日本の社会に突きつけられた大きな命題である。これからの知識労働社会において、「日本は競争力が無い」と世界の最先端企業から言われてしまったのである。

それに代わる拠点はインドであると。筑波におけるTIの個別社員の能力について言及するつもりは無いが、

  • 言葉の壁(英語)
  • 基本的知識労働能力
  • 人件費
  • アウトプット
  • インフラ費用

これらのうちのいくつか、あるいは全てがTIの開発戦略に影響を与えての決断となったのであろう。

我々は将来のためにどのように自己変革すべきであろうか?

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新型プリウスの価格設定は、自動車産業の転換点

Posted on 2009-5-3 by admin under Asia, Economics, IT, International, Japan, enterprize.

プリウスの「205万円」は、自動車産業のコモディティ化の始まりだと述べた。

家電製品と同じように、年率20%で価格下落をする世界に突入した。

自動車産業で象徴的なのが、インド、タタ自動車が作った、20万円カーの「ナノ」だ。

タタグループはインド最大級の財閥で、タタ自動車はその中核をなす事業である。

この金融危機下でも、インドは一人当りのGDPが新興国の中でも比較的堅調に伸びている。

そのニューリッチ世代に自動車を持たせるという夢をタタ自動車は担った。

このように、新興国は労働賃金において比較優位性を発揮するため、
先進国の自動車作りにも影響を与えることとなる。

これまでトヨタ、ホンダの仲良しクラブでやっていた自動車産業は
このような新興国の車のプレッシャーを感じながら
今後は厳しい開発競争とリストラクチャリングの連続に見舞われることになる。

新興国の勃興は、ソ連と東欧崩壊による、東西冷戦の集結によって
米国による(安定的な)軍事秩序のもと、
自由貿易とマネーの国際移動が早くなったことに由来する。

新興国は外資マネーを経済の成長エンジンにビルトインして、
自国の製造力を覚醒させた。

それが労働賃金の上昇と相まって、自国の内需拡大へとつながっていったのである。

拡大した内需は、莫大な人口と相まって、
飽和した先進国から比べれば魅力的な成長市場である。

それが呼び水となって、経営資源を投入する外資がさらに集まり、
成長への好循環を達成する。

世界は自由貿易のもと、要素価格が均衡するまでの間、先進国は苦しみつづける。

例えば日本は2030年までにおよそ30%ほど労働者の賃金が下がるだろう。

しかしそれは、真に頭で儲ける時代の到来であり、
ボリューム型資本主義から、知識資本主義へと変革していく
重大な歴史の転換点を表しているのである。

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プリウス値下げでトヨタは年率20%のコストダウンを実現する運命を歩む。

Posted on 2009-5-2 by admin under Asia, Economics, International, Japan, enterprize.

コモディティになった自動車:

トヨタがプリウスの新型を発表した。
燃費は38km/Lと、世界の量産車で最高水準だ。

しかしニュースリリースにおいて、その性能よりも話題になったのが、
「205万円」という新型プリウスの価格設定である。

全世界の不況と金融収縮でローンが降りず、自動車の販売は激減している。

自動車産業が屋台骨を支えるドイツ、日本などの政府は
自動車購入に補助金を出してなんとか自動車産業が息耐えないように躍起になっている。

トヨタにとって追い討ちをかけたのがホンダが発売した新型ハイブリッドのインサイトだ。
こちらは189万円という値付けでリリースし、2万台近くのバックオーダーを獲得した。

それに慌てたトヨタは現行プリウスを190万円で併売することを決めた。

これは単なる自動車の値下げ合戦というニュースでは終らない。
大衆車がコモディティ化したという時代の潮流の変化と捉えるべきである。

自動車事業は、莫大な初期投資が掛かる、典型的な旧来型産業である。
これらは「ボリューム型資本主義」とよばれ、大量の設備、人員、莫大な広さの工場が必要で、
資本市場(主に株式・社債市場)からの資金調達なくして成り立たない産業である。

いわゆる製造業は全てこのカテゴリーに入る。

これらの産業には、歴史的に見て下記の大波が常に押し寄せる運命となっている。

  • 新興国の勃興により、労働生産性が向上し、価格低下が免れない。
  • 新興国で技術が漏洩することで、技術面の参入障壁が低くなり、競争がおきやすい。
  • 世界的なカネ余りによる長期金利の低下が進み、
    事業としての採算性が成り立ちやすくなるから、資金面での参入障壁も低くなる。
  • いつかパイの縮小が起こったときに、成長産業から成熟産業に切り替わる。
  • 仁義亡き戦いは一度始まったら終らない。

結果的に、製造業は最終的にこのような過当競争になる運命なのである。
そして、過当競争で厳しくなった業界(今回で言えば自動車産業)は
ラスト・マン・スタンディング(最後の一人)になるまで戦いつづける旅に出るのだ。

トヨタとホンダはこれまで上手くやっていたが、これからはその関係は「過去の思い出」として語られるだろう。

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ネットブックに群がる企業:富士通・シャープは自壊の道を進むのか?

Posted on 2009-4-23 by admin under Asia, Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing.

5万円前後のミニノートをネットブックという。
台湾のマザーボード最大手のASUSが1昨年に市場を切り開き、
世界中で爆発的に売れた。

ここに来て、昨年にはNEC、東芝が参入、
さらにソニーはやや独自性のある内容で高めのラインナップで参入、
そしてこの夏の製品から、シャープと富士通が参入した。

中小のメーカーであるエプソン、オンキヨー、マウスなどは
すでにこの市場に参入しており、
シャープと富士通は、最も遅い組である。

元来、ノートPCの現代の市場を見事に開拓したのはソニーであった。
それまでの無骨なデザインに決別し、マグネシウム合金を使った
スタイリッシュで軽量のノートPCをVaioという名でリリースし、
「持ち歩きたくなるノートPC」ということで一世を風靡した。

しかしその後、ノートPCにパラダイムシフトは訪れず、
インテルとマイクロソフトが策定する規格に準じて
ひたすら高機能・高付加価値の製品開発をたどることとなった。

その背景にあるのは下記の2つの日本企業の独特の文化である。

(1)高付加価値にすれば、コストパフォーマンスは上がり、
ユーザーは価値に基づいた価格を払ってくれる。
企業が想定している「ユーザー」は常に今の機能や仕様に不満を持っており、
まだまだ改善の余地がある。
マーケティングに「足し算」はあっても「引き算」はない。

(2)日本人の高い給与を払うには、高付加価値の製品を作るしかない。
誰でも作れる安価なPCは収益が少なく、
日本人の給与を十分に払えない。

これらの独特の文化や価値観は世界ではガラパゴス(進化を忘れた孤島)
といわれ、特にIT業界に多い。
それを今回はASUSという台湾メーカーによって破壊され、
日本メーカーは、これまで守り続けていた
空虚なブランドで売っていかなければならない。
方や25万円のノートPCとどうやって5万円のノートPCを売り分けるのか

そこに20万円の差額を出す「理想のユーザー」は存在するのか?

本当に日本人だけで開発し、世界を知らずして
今後のさらに激化する競争にどうやって対応するのか?

最も遅く参入し、仕方なく参入した富士通とシャープは
日本PC産業の自壊の象徴である。

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日本経済への処方箋

Posted on 2009-2-17 by admin under Asia, Economics, International, Japan, Politics. Tags: , , , ,

円高を享受するための制度設計

日本が長期衰退の道に陥らないための処方箋を書く。

輸出型モデルとして日本の産業界を引っ張ってきた
製造業が円高と米国の消費不振で苦境にあえいでいる。

対米輸出、中国経由の対米輸出が大幅に減少し、
日本の産業の牽引役が大打撃を受けた。

追い討ちを掛けたのが円高だ。
日本は恒常的経常黒字国(貿易黒字+投資黒字)であったにもかかわらず、
産業界→政界→日銀の「リーダー不在の短期利益追求型政策」
によって、輸出モデルの過保護のために低金利による円安誘導を続けた。

その結果、本来の円の実力を加味しない不均衡な円安水準が続き、
結果的にサブプライムの信用収縮を機に円への大逆流が引き起こされた。

日本の製造業は生産性の面から見ると
漸増しているので、確かに優良産業であった。

しかしそれは、労働固定費を海外(中国を始めとした東南アジア)諸国に
移転させたための結果である。

企業は1997年くらいから大挙して中国に工場を建設していった。
そこには10億人のマーケットの前に並ぶ
「10億人の単純作業労働者」によって魅力ある「世界の工場」となった。

これが日本から「単純労働」という低生産性要素を分離する一方で
「頭脳労働」という高付加価値要素を国内に残すという
一挙両得作戦にでたのであった。

結果は言わずもがな。米国の過剰消費が低コストの中国生産品と
高性能の日本製品をもって製造業の生産性を一気に高める結果となった。

翻って、日本のサービス業の低迷は悲惨な状況である。

日本のサービス業における全要素生産性
(TFP=Total Factor Productivity)は近年顕著な伸びを示していない。

製造業が海外に低付加価値の「切り離し」を出来たのに対して
サービス業は「日本国内で」付加価値の産出を行わなければならないため、
「低付加価値の切り離し」ができない。

他方労働派遣については規制が厳しくなる一方で、
今後も国内の労働力に依存した付加価値産出体制は
大きな変貌を遂げられそうに無い。

麻生首相も言うように、内需拡大を本腰を入れるためには
いくつかの面で制度設計を見直す必要がある。

何より大きな処方箋は「移民の受け入れ」である。
移民は低コストの労働力確保のために必要な人材である。

ましてやこの円高では、日本円で賃金をもらうことの優位性は圧倒的である。
円貨で稼いだ賃金を本国に送金する際には「円売り」を行うわけだから、
本質的には円の実力レートに均衡することになる。

また、外国人を働かせることには副次的なメリットが生じる。
外国人は日本人のようにハイコンテクストな民族ではない。

日本人主体でやっていた業務は全て職務記述書として
内容を明記することが重要になる。

これらは職種と賃金を客観的に表すのに役立ち、
人材の能力と賃金を適切な比例関係にする好機となる。

日本人には「おれは部長が出来る」という
スーパー勘違いの「ノンワーキングリッチ」が多いが、
これらは本質的には、「部長の仕事」がこれまで定義されていなかったという
ことに起因している。

イケイケドンドンの高度成長期は、官僚型で、
命令系統に従うオペレーション重視の人材と、
なでもやる総務型人材が重宝されてきた。
ノンワーキングリッチは高度成長時代の「負の遺産」である。

負の側面ばかり見ずに移民を受け入れろ

移民の受け入れを通じて、
・低付加価値の外部ソーシング
・ローコンテクストを前提とした付加価値生産体制
・ノンワーキングリッチの排除
・魅力ある労働市場
を構築することがこれからの日本のサバイバル術である。

日本の高度なサービスが企業の国際競争力を高め、
ローコンテクストを前提とした付加価値生産体制が
構築できれば、サービス業の海外展開も加速する。

同時に日本は移民増加による住宅市場の安定化や
国内サービスの多様化を通じて少子高齢化の弊害を
少しずつでも緩和しながら成長を享受できるのである。

他方、日本政府としては
移民増加による治安懸念への対応と
大量解雇されるであろう、低付加価値の日本人を
再教育するセイフティネットの構築が求められる。

再教育は一朝一夕には効果が出ないが、
長期的に見て日本の競争力を向上させるには
最も費用対効果の大きいものである。

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起業家はGDPと逆相関の発想をもて

Posted on 2009-1-19 by admin under Asia, Economics, International, Japan, enterprize, venture. Tags: , , , , , ,

日本のGDPをゼロにしてしまえ。
既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂

起業家がビジネスモデルを考える際には
2つのアプローチがある。

一つは「現状ビジネスモデルの改善」であり、
もう一つが「現状ビジネスモデルの破壊」である。

「改善」というのは、これまで5000円で売られていたものを
4000円で売ろうとか、3000円にしようというものだ。

あるいはこれまで世の中は70点で満足していたものに、
80点のものや90点のものを提供するということである。

そこには自分の持つノウハウなど、特定の競争優位性(Strong)があり、
時代や社会背景の機会(Opportunity)と相まって、
新しいビジネスモデルになるという考え方だ。

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一方で「現状ビジネスモデルの破壊」という考え方がある。
これは既存産業を駆逐し、
同業がバタバタと倒産するようなビジネスモデルである。

例えばこれまで5000円で売られていたものを
500円にするとか、無料にするとかいうことだ。

あるいはこれまで70点のモノしか世の中に存在しなかったのに、
700点とか1000点のモノが急に現われることである。

そうなると既存商売をしている人はたまらない。
自分の商売の価値が10分の1になってしまう。
あまりの市場の急変に耐え切れず倒産する企業も出てくる。

本来起業家が探求すべきことは、
このような破壊的ビジネスモデルなのである。
これこそが本来語られるべき「イノベーション」である。
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既存ビジネスを破壊するには、
概ねコストパフォーマンスを10倍くらいまで上げる必要がある。

そんなことが出来るのかという疑問があるだろうが、
これを実現する基本解はIT化に他ならない。

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ムーアの法則とグローバル水平分業のお陰で
CPU、HDD、メモリの単価は下落の一途をたどっている。
昨今の景気減速により半導体設備の余剰感は
さらに高まり、設備稼働率は低下する一方である。

そのためコンピューターの性能/価格比は
年率1.5倍で上昇している。
これがITの低コスト化を推し進め、
限界計算費用(1計算あたりのコスト)は実質ゼロ円になっている。

既存のビジネスモデルを破壊するにはこのITの活用が不可欠である。

ビジネスにはバリューチェーンという概念がある。
これは消費者を起点とし、付加価値の連鎖が
販売者、生産者、そこへの供給業者と連鎖していることを
概念的に表した言葉である。

私はこの付加価値の鎖を独自にレイヤーという呼び方をしている。
レイヤーとは「層」という意味である。

付加価値を決めるのはあくまでも消費者であって、
それがどういうサプライチェーンかは消費者にとって関係ない。

例えばiPhoneを買うのに、その中身がどの会社の半導体で作られているかは
購買に影響しない。

話がそれたが、
IT化による破壊的ビジネスモデルを構築するには
このような付加価値のレイヤーを一つずつ分解し
IT化による合理化がどのくらいまで出来るのかを
検討していく作業が必要となる。

IT化のポイントは人的作業であり、
人的作業の付加価値が多く、なおかつ単純計算作業が
多いものが、破壊されるターゲットとなる。

単純計算作業はIT化によって実質ゼロ円で構築できる。
即ちその部分を低コスト化できる有効な手段である。

このようにビジネスレイヤーの分解と、
単純計算作業のIT化で既存ビジネスを破壊していくのだ。

破壊は静かに行われ、ある日雪崩を打って業界を席巻し
既存業者を駆逐する。

こうなれば少なくとも単純計算作業を行っていた人は
早晩不要になり、これまで5000円払っていたものに
500円しか払わなくなるため、
その産業のGDPは10分の1に減少する。

一方で消費者はその余った4500円を他に使えるため、
GDPの減少が生活水準の低下にはつながらない。

不要となった単純計算作業者は
再教育によって付加価値の高い仕事に従事し、
その国に付加価値の高いもののみが残っていく。

これこそが真の産業イノベーションである。

短期的に潰れる企業が増えるとか、
派遣労働者が解雇されるだとか、
雇用が守られなくなるだとか、
近視眼的な産業保護・雇用保護は「長期的に競争力を失うだけである」

GDPと逆相関のことこそが
産業のイノベーションにつながり、
長期的な競争力の源泉となるのである。

起業家は既存産業の破壊を常に考えて欲しい。
日本のGDPをゼロにしてしまえ。

既存産業を破壊するのがIT・オープンの真骨頂なのである。

 

 

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シームレスな労働条件こそ競争力の源泉

Posted on 2009-1-11 by admin under Asia, Economics, International. Tags: , , ,

 

昨今、派遣切りの問題がクローズアップされている。

民主党などは製造業の派遣労働を禁止すべきだとか、
解雇できないようにしろなどと、民意優先の愚作を提案している。

本質的な問題は派遣の解雇権ではない。

最も重要な改革テーマは、正規社員の雇用条件である。

正規社員は給料をボーナスで多少減らされるだけで、
それ以上基本給が大幅に下がったり、
あるいは解雇にいたるケースはまれである。

しかし派遣社員など非正規社員は、給与の減少、解雇などが平然と行われる。

減給や解雇は労働需給の変化に対応するための重要なツールであるが、
これを画一的に禁止してしまうと、硬直化した労働環境が形成され、
企業側は雇用により慎重となってしまう。

また、派遣社員が受け持っている単純労働作業は
長期的に見ればITと中国に取って代わられるのは時間の問題である。

日本が国際競争力を発揮し、労働力を最大限活用するのであれば、
正規社員にも現在の派遣社員同等に、解雇権を認めるべきである。

正規社員と派遣社員が同等の労働を行いながら
待遇に一目瞭然の差があることが、
日本の労働環境を硬直化させ、競争力を長期的に奪ってしまう。

日本の一人当たり平均GDPは4万ドル前後だが、
韓国は2万ドル前後、中国は一桁少ない、4000ドル前後だ。

中国の単純労働ワーカーの月給は200ドル弱である。
ベトナムもしかり、ようやく100ドルに到達したくらいである。

東アジアという地理的環境と、近年のグローバル化、自由貿易化、IT化は
日本の長期的な単純労働の賃金水準が中国や韓国、ベトナムと同水準になることを
示唆している。

日本の平均GDPは2.5万ドルくらいまで落ちるだろう。

その間、非正規社員にのみ解雇権を認めているようであれば、
日本の労働環境は断絶し、ワーキングプアがただのプアになり、
格差はもっと開いてしまう。

いまこそシームレスな労働環境を構築し、
来るべき東アジアの経済圏における競争力をつける絶好のチャンスなのである。

 

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