長期金利が低位安定している。
新規国債10年ものの金利は1.5%をはさみ、
2.0%以下の水準がこの10年間続いている。

この原因となっている日本の3悪をここに示したい。
そしてこれがどのようなことを暗示しているのか。
それを明確にする。
円安誘導
重厚長大の輸出型産業が屋台骨を支える日本では、
経団連会長に、輸出型産業のトップが就任することは
もはや何のサプライズもない。
経団連会長は「財界総理」と呼ばれるほど、政界への発言力を持っている。
政界は財界総理の言うことを聞かずに
政治・財政・金融の3つの柱は成り立たないのである。
経団連会長が輸出型産業の出身であれば、
自社に有利な政策を推し進めるのは当然である。
それが円安誘導、つまり、円の低金利化に他ならない。
必要以上に円金利を低位安定させたために
それが円安誘導として莫大な輸出補助金となり、
結果的に資本配分を輸出型産業に偏らせた。
最たる例がゼロ金利政策と、量的緩和である。
日銀は政財界からの独立した機関であり、
日銀総裁が更迭や罷免されることはない。
しかし政財界からの圧力は常にあり、
微妙な舵取りに影響を与えることはしばしばである。
巨額の財政赤字
いまやこの問題を除いて金利問題を語ることは出来ない。
国と地方の借金は800兆円を超え、年間GDP500兆円の
なんと1.6倍にも及ぶ。
対外債務がゼロであり、国民の金融資産が1200兆円あることが
日本のデフォルトを防いでいることになる。
いかんせんこの説明できない巨額の赤字を
将来の世代にツケを回し、
潜在成長力の低下
無論日銀にも言い訳がある。
日銀は必要に応じて円金利を機動的に変え、
安定的な通貨としてのポジションを高め、
さらに円価値を高めることを目的としている。
低金利にしたいとか、高金利にしたいなんて思っているのではない。
しかし現実に金利を上げるのは、政財界のプレッシャー以上に
大きな問題をはらんでいる。
それが日本の潜在成長率、自然利子率である。
低い労働生産性や、遅れているIT化、
そして最大の要因は世代間闘争である。
旧世代の労働者が年功給に基づき、
能力や成果に見合わない賃金をもらいつづけている。
彼らはワーキングプアの対義語で「ノンワーキングリッチ」と呼ばれる。
彼ら「もらいすぎ世代」を支えるために「ワーキングプア」が製造され、
消費されていく。
ワーキングプア世代は年金の受給が支払額を下回る「逆ざや」状態になり、
将来の財政赤字の補填と含めて将来の不安がうごめく。
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以上のように、低位安定した金利には
様々な要因があるが、
世の中にフリーランチは無いというのが常である。
財政赤字、赤字国債、長期的な競争力の停滞、
そして無理な円安政策、癒着した政財界。
無理な低金利は最適資源配分をゆがめる。
競争力の源泉はゆがめられ、新規産業が成立しない。
それは長期的な日本の成長率を押し下げ、
財政破綻か、年金崩壊が免れないことを暗示している。
財政破綻を目前にしたとき、金利は急上昇し、
資本と産業に大打撃を与えるだろう。

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