派遣切りより深刻な雇用ニュース:TIの筑波研究所閉鎖は日本への最後通告

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo20090521AT1D2009K20052009.html
日経ニュースによると、日本TIは筑波の研究所を閉鎖した。
TIのホームページによると、TI筑波研究所は、TIの本拠地である米国以外で、はじめて設置された海外の研究所である。
ここにはDSPや画像処理技術など高度な半導体技術の開発拠点となっていた。
日本国内にTIの開発拠点はこの筑波と厚木しかなく、これにより、TIの日本国内開発拠点は一つになった。TIのリリースによれば、研究開発の拠点を米国とインドに移管すると言う。筑波の拠点に携わる人数は100人程度と多くは無いが、中身を考えると、これは日本の未来に突きつけられた最後通告である。
TIは世界で初めてIC(集積回路)を発明した創業70年以上の歴史ある企業であるが、現在はデジタルコンシューマー向け半導体デバイスの先端企業である。旧来からのアナログ回路技術を活かして、DSP(デジタル信号処理プロセッサ)に強みをもつ。携帯電話向けのDSPやBBP(ベースバンドプロセッサ)で世界最大のシェアを持つ企業である。
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その企業が日本での開発をやめ、米国とインドに移管するという。
こには根深い問題があると考えられる。
半導体の開発拠点は典型的な知識労働である。近年の自由貿易世界や、フラット化、IT化した社会において、知識労働が付加価値の源泉になっていることは大きな潮流である。
単純労働や、知的ブルーカラー(単純計算)は中国か、パソコンに置き換わり、その単価は著しく低くなっている。中国の10億人の労働人口の参入で競争が激化しているからである。
日本のような高GDPを維持する先進国では、このような単純労働やブルーカラーでは高いGDPを維持することは出来ないのである。
つまり、社貝で働く人々が少しずつでも知識労働にシフトしていき、コンピューターや中国人では行えない仕事へと変わっていかなければいけない。
しかし現在の日本の雇用政策は派遣切りの問題など、単純労働者の雇用を維持する場当たり、人気取りの政策ばかりであり、社会全体の知識労働へのシフトを促す産業構造転換にはなっていない。
そこにきてこのようなTIの知識労働拠点の撤退ニュースは日本の社会に突きつけられた大きな命題である。これからの知識労働社会において、「日本は競争力が無い」と世界の最先端企業から言われてしまったのである。
それに代わる拠点はインドであると。筑波におけるTIの個別社員の能力について言及するつもりは無いが、
- 言葉の壁(英語)
- 基本的知識労働能力
- 人件費
- アウトプット
- インフラ費用
これらのうちのいくつか、あるいは全てがTIの開発戦略に影響を与えての決断となったのであろう。
我々は将来のためにどのように自己変革すべきであろうか?

