iPhoneアプリ10億DLの衝撃:ケータイの延長線上に無いAppleのマーケティング力とは?

Posted on 2009-4-23 by admin under Economics, IT, International, marketing.

iPhoneアプリが10億ダウンロードを記録しようとしている。

AppleのKeynoteの発表によれば
全世界の80カ国でiPhoneは発売されていて、
累計販売台数は1700万台である。

またiPhoneの電話機能が無い、「iPod Touch」は
全世界で1300万台が売られている。
次世代iPhoneは6月に公開される見込みだ。

iPhoneには電話以外にGoogleマップや、Youtubeの閲覧など
様々な機能を有しているが、最もこのデバイスの魅力を上げているのは
後から追加できるアプリケーションの数々だ。
2008年6月より始まった、AppStoreでは
iPhone/ipodtouch専用のアプリケーションが
ボタン一つでダウンロードでき、即座にインストールされる。

これにより無限に機能を追加して、iPhone/ipodtouchの
機器としての魅力を高めることが出来るのだ。

そしてこのアプリ群はAppleが開発しているのではなく、
そのほとんどを一般企業や一般の開発者が作っているのである。

アプリには無料のものだけではなく、有料のものもある。
有料ソフトの収益の3割はAppleにいくが、7割は開発者に渡る。

最小金額は115円からとなっており、クレジットカードの取引手数料も要らなければ、
ホスティング費用もかからない。さらに収益は週次で支払われる。

ObjectiveーCという特殊な言語と、Macでの開発環境が必要であるが、
プログラマなら世界で3000万人向けに少額決済ができるモデルは
世界に現有するエコシステムの中でも最高峰の魅力を備える。

IT業界のトレンドはエコシステムの構築である。
自社でサービスの全てを用意するにはエネルギーも経営資源も莫大なものが必要になる。

そこでソフトウェアの仕様の一部を公開して、
第三者がアプリケーションの開発に参画できることを目的とするのがエコシステムである。

エコシステムは本来「生態系」という意味だが、
これにより、第三者から思わぬアイデアで、
爆発的なヒットとなるケースもまれではない。

調子づいたアップルは6月のiPhoneOS3.0へのアップデートにより、

  • 課金システムの多様化
  • APIの1000件の追加
  • 周辺機器との通信規格の策定
  • 100の新機能の盛り込み

と余念がない。

iPhoneは既存の携帯ビジネスの延長線上にはない。
パーソナルコンピューティングとテレフォニーの融合だけではなく、
周辺機器を持つことによって、全てのデバイスをコンピューティングするという
「ユビキタス」の社会を実現するための最先端のデバイスとなった。

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ネットブックに群がる企業:富士通・シャープは自壊の道を進むのか?

Posted on 2009-4-23 by admin under Asia, Economics, IT, International, Japan, enterprize, marketing.

5万円前後のミニノートをネットブックという。
台湾のマザーボード最大手のASUSが1昨年に市場を切り開き、
世界中で爆発的に売れた。

ここに来て、昨年にはNEC、東芝が参入、
さらにソニーはやや独自性のある内容で高めのラインナップで参入、
そしてこの夏の製品から、シャープと富士通が参入した。

中小のメーカーであるエプソン、オンキヨー、マウスなどは
すでにこの市場に参入しており、
シャープと富士通は、最も遅い組である。

元来、ノートPCの現代の市場を見事に開拓したのはソニーであった。
それまでの無骨なデザインに決別し、マグネシウム合金を使った
スタイリッシュで軽量のノートPCをVaioという名でリリースし、
「持ち歩きたくなるノートPC」ということで一世を風靡した。

しかしその後、ノートPCにパラダイムシフトは訪れず、
インテルとマイクロソフトが策定する規格に準じて
ひたすら高機能・高付加価値の製品開発をたどることとなった。

その背景にあるのは下記の2つの日本企業の独特の文化である。

(1)高付加価値にすれば、コストパフォーマンスは上がり、
ユーザーは価値に基づいた価格を払ってくれる。
企業が想定している「ユーザー」は常に今の機能や仕様に不満を持っており、
まだまだ改善の余地がある。
マーケティングに「足し算」はあっても「引き算」はない。

(2)日本人の高い給与を払うには、高付加価値の製品を作るしかない。
誰でも作れる安価なPCは収益が少なく、
日本人の給与を十分に払えない。

これらの独特の文化や価値観は世界ではガラパゴス(進化を忘れた孤島)
といわれ、特にIT業界に多い。
それを今回はASUSという台湾メーカーによって破壊され、
日本メーカーは、これまで守り続けていた
空虚なブランドで売っていかなければならない。
方や25万円のノートPCとどうやって5万円のノートPCを売り分けるのか

そこに20万円の差額を出す「理想のユーザー」は存在するのか?

本当に日本人だけで開発し、世界を知らずして
今後のさらに激化する競争にどうやって対応するのか?

最も遅く参入し、仕方なく参入した富士通とシャープは
日本PC産業の自壊の象徴である。

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