大阪府の橋下知事が部局長クラスに成果主義を導入した。
これまで官僚は上司の指示に従って行動するのが
基本であり、自らのクリエイティブに基づいて行動するのは異端とされていた。
官僚機構の組織形態を学術的に述べると、
「命令系統一元化の原則」に基づき、さらに統制と規律を求められる構造である。
地方自治体では、知事が最高権力者となるが、
以下の職員は基本的に上司の命令に基づいて職務を行う。
橋下知事の今回の提案には、部局長クラスに年間のマニフェストを提案させ、
それが実行できたかどうかを問うものであるという。
しかし今や一般企業では多くの企業に成果主義や能力主義は導入されている。
それらが導入されていない企業でも、
目標管理(MBO=Management by objective)という制度に基づき
年間の個人目標と部門目標が一致するように行動計画を定めるのは常識だ。
ところがこれまでの官僚の世界では、成果主義どころか
目標管理という観点ですら職務管理がされてきていない。
橋下知事の行動は大きな波紋を呼ぶだろうが、
日本の政治における歴史に残る賞賛されるべき取組みである。
日本が現在のように戦後の高度成長を忘れられず、
過去の成功体験にしがみついて旧体制を崩せない最大の要因は
肥大化した官僚機構である。
官僚は自己ポジションの保身に走り、
組織を維持するために仕事を作り出す。
自由競争や規制の少ないオープンな市場は
すぐに官僚たちによって「整備の対象」になり、
余分な規制や過剰な規制があっというまに敷かれてしまう。
これらが日本の企業に改革の目を萎めさせ、
新しい産業やパワーのあるベンチャー企業の発展を妨げた。
高度成長期において官僚機構は社会インフラを積極的に整え、
日本の経済成長に大きく寄与したことは間違いの無い事実である。
しかし1990年にバブルが崩壊してからは
その肥大化した組織と市場への介入が長期的な日本の競争力を削ぎ
落としたことも疑いの無い事実である。
官僚機構の最大の問題である人事評価に
成果主義を導入した橋下知事は、日本の将来を占う試金石である。

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