ソニーがiPodを追撃できないというブログに反響が大きかった。
ソニーに限らずこの問題は、現代の勝ち組、負け組の構図を
簡単に表せるので、深掘りしていきたい。
そもそも人類の成長とは「既成概念や既存体制」の破壊によって生まれてきた。
これは経済的成長だけではなく、文化的にも、政治的にもである。
時にはそれが暴力を伴っうものであったり、
あるいは話し合いで行われることであったり、
あるいは不慮の事故が原因であったりと、
理由は様々である。
しかし一様に考えられるのは、既存体制の王者がその座を降りたとき、
人類は成長を遂げているのだ。
ソニーは「歩いているときに音楽なんて聴かない」
なんていう既成概念を破壊した。
しかしその後のソニーは利益を得るために、
CDや音楽に関する市場の重要なポジションを特許や権利という形で独占し、
排他的な市場を築き上げた。
WinnyはP2Pという技術で音楽ファイルの交換を実現し、
ユーザーがもっているMP3ファイルを
ユーザー同士で交換させた。
音楽が無料になってはソニーはCDの特許料も入らなくなってしまうし、
さらにSME(ソニーミュージック)なんていう会社も清算しなければならなくなる。
しかし、社会を一つの器として考えると、
そこでソニーが得られたであろう利益は、
Winnyを使ったユーザーが持っていっただけである。
つまり、世界全体で音楽に関する厚生的なパイは一切変わらず、
利益がソニーや音楽関係者から、「ユーザー」に移動したに過ぎない。
GDPで見ると確かに減ってはいるように見えるが、
本来CDの購入に3000円のコストを掛けていたユーザーが
他のことに3000円を使えるようになるわけだから、
経済全体のGDPには影響しないのである。
つまり結論をいえば、現代の技術を持ってすれば
ソニーの音楽関係の利権は不要となり、
本質的には1円も利益を上げることは不可能なのである。
それを法的(著作権法)を盾にして既存体制を守ろうとするソニーは
すでにチャレンジャー(市場の破壊者)ではなく、
「既得権を守る者」になってしまったのである。
司法や行政はこのようにイノベーションを阻害する要因(ソニーの立ち位置)を
きっちりと取り払い、オープンで公正な市場を構築するよう
目を光らせていなければいけない。
また、企業は破壊的技術を「見て見ぬふり」をするのではなく、
積極的に理解し、その時代にあったビジネスモデルへと
変革する必要があるのである。
ソニーがCDの版権や音楽関係利権を手放さない限り、
ソニーが復活することはあり得ない。

コメントはまだありません。