エコシステムという概念がある。
エコシステムとは本来、自然界の生態系を表す意味だったが、
昨今では特定の産業や市場において第三者間が利害を一致して協力する体制を意味する。
かつて企業間で競争と同時に協力を行う体制を「co-operation経営」と呼ばれたこともあったが、
今回紹介するエコシステムはもっと奥深いモノである。
世界最大のエコシステムプロジェクトはLinuxである。
LinuxはオープンソースのOSであり、
世界中のウェブサーバーで標準OSとして稼働している。
Linuxはフィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナストラバース氏によって開発され
その後オープンソースとして普及していった。
オープンソースのOSの登場は世界中の開発者が待ちわびていた事実であり、
そしてそれは世界中の開発者がボランティアとして機能の改善や問題点の修復に参加した。
いまやオープンソースで提供されていないソフトウェアは皆無に近く、
あらゆる分野のソフトがオープンソース化している。
しかるにこれらはエコシステムという概念で言い表せる。
世界中の開発者はLinuxの普及と機能強化が自分自身の利益と一致するため
自らボランティアになる道を選んだのだ。
このようなエコシステムは高度に水平分業されたIT業界において、
業界内における垂直統合を作る手助けをしている。
それと同時に、大規模なサービス開発は、既に一企業だけで開発するには
リソース不足になると同時に経営的にも大きなリスクを負うことになってしまう。
これを解消するのが、第三者のリソースを活用するエコシステムという概念である。
第三者のリソースを活用することで
多種多様なアプリケーションの開発や、スピーディな事業展開が可能となる。
それに呼応するかのように、世界中の情報交換コストは実質無料に近づき、
特にITの分野やノウハウ分野ではエコシステムの活用がその企業の命運を決めると言っても過言ではない。
いまはエコシステムは企業が存続する上で必須条件となった。
自社で機密を囲い込み、少ないリソースで垂直統合ビジネスを構築するのではなく
情報をオープンに誰でもアクセスできるようにして、
第三者とともに市場の発展を目指す、そんなソサエティと未来がそこにある。
知識資本社会の真の成長エンジンはエコシステムの構築にあるのだ。

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