知識が時空を超える。情報交換コスト無料の衝撃。

Posted on 2009-2-28 by admin under Economics, IT, International, enterprize, venture. Tags: , , , , ,

情報交換コストの無料化が企業経営の構造を変革する。

100年に一度の危機に隠れて今進行している現実を見よ

世間のニュースは100年に一度の危機の解説に余念が無い。

しかし世間は「危機だ、危機だ」と騒いでいるだけで、
未来像を探そうとはしていない。

そんな思考停止の人々は置いておいて、
未来がどうなるかを考察しよう。

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情報交換コストの無料化が世界を変える。

今現在、世界で進行中の出来事で、
人類の未来に大きなインパクトを与える出来事はなんだろうか?

私はそれは「情報交換コストの無料化」であると思う。

ムーアの法則に代表されるように、
CPU、メモリ、HDDの低価格化が猛烈な勢いで進んでいる。
これらのPC性能の向上は1.8年で2倍になり、
同じ性能ならばコストは1.8年で半分になるのである。

限界計算費用(1計算あたりのコスト)は実質無料になり、
これが「情報交換コスト」を実質無料にしつつある。

情報交換とは、手紙、電話、FAX、など
何らかのメディアを通じた「知識の共有」である。

Aさんが知っている知識を上記メディアを介してBさんに教える。
これが情報交換ということであり、知識の共有ということである。

知識の共有が進むとどうなるかというと、
さらに付加価値の高い知識が生まれる。

日本の歴史に詳しいAさんが
米国の歴史に詳しいBさんと知識の共有をすることで
新しい歴史観が生まれることがある。

このように「知識は代替することなく、補完しあって
その価値を高めていく
」ことが出来るのである。

しかしこれまでは情報交換に大きなコストが掛かっていた。
手紙は1通50円、電話は1分10円、FAXは1通30円といったように
情報の交換には常にコストが掛かっていた」のである。

これらの情報交換のメディアを担っていたのは
行き着く先は人的資源であるが、
近代の急速な機械化によって、
これらの情報交換技術はコンピューターで置き換えられるようになった。

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既存の情報交換手段は駆逐される。

手紙、電話、FAXなどの旧世代メディアは、
電子メール、Skype、テレビ電話など、
多くの新技術としてPC上で展開されていった。

これらの価格が帰結する先はPCの計算コストであり、
それは即ちPC自体のコストに依存する。

そこに爆弾を投下するのがムーアの法則である。

PCが低コスト化すればこれらの技術は年々安くなり、
そして実質無料の時代がやってくる。

いまや家庭内のブロードバンドは先進国では7割の家庭に普及し、
月額4000程度でも通信料は無制限になっている。

情報交換コストが無料になる時代は今すぐそこに来ているのである。

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はたして我々はこれからの時代、情報交換コストの無料化を
どのような形で享受すればいいのだろうか?

情報交換コストの無料化は、時間と空間を解き放ってくれる。
例えばテレビ電話ができれば、空間が関係なくなる。

手紙で時間が掛かっていたものが電子メールに置き換われば
時間が関係なくなる。

これを会社の経費削減と捉えるのは
浅はかな発想であることは言うまでも無い。

21世紀において、人々は時空を越えて
つながることが出来るようになったのだ。

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オープン化で知識を世界中から集めよ。

時空を越えた知は何処に向かうのだろうか。
これは今や世界中の知識労働者の労働形態を
根本的に変えていくインパクトをもたらそうとしている。

これまで付加価値の低い単純労働のパートタイマーは、
3時間だけの労働といったように部分的な労働力の供給も行えた。

しかし、知識労働者はそのような短時間労働は労働力として成立していなかった。
知識労働者はある一定以上の拘束時間をもって
はじめて企業に知識を貢献出来てきたのである。

現実的に言い換えれば一つの企業に「1日あたり8時間」の
勤務ををしていないと労働者としての価値を与えられなかったのである。

しかし、これからの知識労働者は時空を越えることができる。

例えば広域に散らばる専門家たちが
毎日、「帰宅後の1時間」を
他の企業の経営戦略実現のためにあてることが出来る。

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メール、電話、通信、TV会議、インターネット、データベース、
超低価格で様々なコミュニケーション(=情報交換)が行える環境は
知識労働の時間単位が極小化しても無限に積算できる
インフラストラクチャーとなっている。

小さな知識と戦略の積み重ねが
大きな一つの戦略として統合できるようになったのだ。

これにより優秀な知識労働者は時間と空間に縛られること無く、
世界中の企業の経営改善のために知恵を提供することができるようになった。

他方、世界中の企業は、優秀な知識労働者をリスクを持って高い費用で
直接雇用することなく、「必要な時に、必要なリソースだけ」
レンタルすることが出来るようになったのである。

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ナレッジオンデマンドが世界を変える。

このコンセプトにより、
世界中の「知識労働の生産性」は爆発的に向上し、
「知識の最適資源配分」が急速に広まっていくことだろう。

究極の「ナレッジ・オンデマンド」の実現である。

知識労働者は自分の知識を定量化し、
ネットワーク・コミュニティに参加することが求められていく。

一方の企業側は、企業戦略をオープンにし、
幅広い知識労働者から自社の戦略実現の方策を
公募することが求められる。

これらは人間として、経営者として、企業として、
非常に大きな度量が必要となるが、
これをオープンに実現できる人間こそ、
21世紀において繁栄を築くことが出来る素地なのである。

「情報交換コストの無料化」は、
世界中の知識労働を一変させる爆発力を持っていることを忘れてはいけない。

現に、オープンソースで世界中の開発者が労働力を寄付した
Linuxは世界中のWEBサーバーの標準OSとなった。

同時に開発された、Apache、MySQL、PHPは
WEB世界のアプリケーションの全てを掌握している。

オープンソースで開発されたソフトウェアは
限界計算費用をさらに押し下げるという、
究極の「正のスパイラル」へと突入した。

事実として、知識労働革命はすぐ手元まで来ている。
知識労働は全ての産業の前提を変えてしまおうとしている。

知識労働革命による、
ナレッジオンデマンドは夢物語ではなく現実である。

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日本経済への処方箋

Posted on 2009-2-17 by admin under Asia, Economics, International, Japan, Politics. Tags: , , , ,

円高を享受するための制度設計

日本が長期衰退の道に陥らないための処方箋を書く。

輸出型モデルとして日本の産業界を引っ張ってきた
製造業が円高と米国の消費不振で苦境にあえいでいる。

対米輸出、中国経由の対米輸出が大幅に減少し、
日本の産業の牽引役が大打撃を受けた。

追い討ちを掛けたのが円高だ。
日本は恒常的経常黒字国(貿易黒字+投資黒字)であったにもかかわらず、
産業界→政界→日銀の「リーダー不在の短期利益追求型政策」
によって、輸出モデルの過保護のために低金利による円安誘導を続けた。

その結果、本来の円の実力を加味しない不均衡な円安水準が続き、
結果的にサブプライムの信用収縮を機に円への大逆流が引き起こされた。

日本の製造業は生産性の面から見ると
漸増しているので、確かに優良産業であった。

しかしそれは、労働固定費を海外(中国を始めとした東南アジア)諸国に
移転させたための結果である。

企業は1997年くらいから大挙して中国に工場を建設していった。
そこには10億人のマーケットの前に並ぶ
「10億人の単純作業労働者」によって魅力ある「世界の工場」となった。

これが日本から「単純労働」という低生産性要素を分離する一方で
「頭脳労働」という高付加価値要素を国内に残すという
一挙両得作戦にでたのであった。

結果は言わずもがな。米国の過剰消費が低コストの中国生産品と
高性能の日本製品をもって製造業の生産性を一気に高める結果となった。

翻って、日本のサービス業の低迷は悲惨な状況である。

日本のサービス業における全要素生産性
(TFP=Total Factor Productivity)は近年顕著な伸びを示していない。

製造業が海外に低付加価値の「切り離し」を出来たのに対して
サービス業は「日本国内で」付加価値の産出を行わなければならないため、
「低付加価値の切り離し」ができない。

他方労働派遣については規制が厳しくなる一方で、
今後も国内の労働力に依存した付加価値産出体制は
大きな変貌を遂げられそうに無い。

麻生首相も言うように、内需拡大を本腰を入れるためには
いくつかの面で制度設計を見直す必要がある。

何より大きな処方箋は「移民の受け入れ」である。
移民は低コストの労働力確保のために必要な人材である。

ましてやこの円高では、日本円で賃金をもらうことの優位性は圧倒的である。
円貨で稼いだ賃金を本国に送金する際には「円売り」を行うわけだから、
本質的には円の実力レートに均衡することになる。

また、外国人を働かせることには副次的なメリットが生じる。
外国人は日本人のようにハイコンテクストな民族ではない。

日本人主体でやっていた業務は全て職務記述書として
内容を明記することが重要になる。

これらは職種と賃金を客観的に表すのに役立ち、
人材の能力と賃金を適切な比例関係にする好機となる。

日本人には「おれは部長が出来る」という
スーパー勘違いの「ノンワーキングリッチ」が多いが、
これらは本質的には、「部長の仕事」がこれまで定義されていなかったという
ことに起因している。

イケイケドンドンの高度成長期は、官僚型で、
命令系統に従うオペレーション重視の人材と、
なでもやる総務型人材が重宝されてきた。
ノンワーキングリッチは高度成長時代の「負の遺産」である。

負の側面ばかり見ずに移民を受け入れろ

移民の受け入れを通じて、
・低付加価値の外部ソーシング
・ローコンテクストを前提とした付加価値生産体制
・ノンワーキングリッチの排除
・魅力ある労働市場
を構築することがこれからの日本のサバイバル術である。

日本の高度なサービスが企業の国際競争力を高め、
ローコンテクストを前提とした付加価値生産体制が
構築できれば、サービス業の海外展開も加速する。

同時に日本は移民増加による住宅市場の安定化や
国内サービスの多様化を通じて少子高齢化の弊害を
少しずつでも緩和しながら成長を享受できるのである。

他方、日本政府としては
移民増加による治安懸念への対応と
大量解雇されるであろう、低付加価値の日本人を
再教育するセイフティネットの構築が求められる。

再教育は一朝一夕には効果が出ないが、
長期的に見て日本の競争力を向上させるには
最も費用対効果の大きいものである。

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歓迎すべき「100年に1度の危機」、これからは賢人が儲かる時代へ

Posted on 2009-2-5 by admin under 未分類.

日本の産業をぶち壊した100年に一度の危機

日本の産業がメタメタである。

トヨタ、ソニー、松下、屋台骨を支えてきた企業のみならず、
自動車、電機、半導体、鉄鋼、建機、機械、素材。

日本の競争力の源泉となっていた企業が総崩れ。
いや、日本全体が総崩れである。

これまでの日本経済は円安によって成り立っていた。
円安は輸出企業への補助金となり、日本の相対的価格競争力を
上げるための国策であった。

しかし、前回のブログ記事で書いたように、
産業界→政界→日銀のプリンシパルエージェント関係のねじれによって
日銀は必要以上の金融緩和で円安誘導をし続けた。

これが日本企業に本質的な改革を迫らず、
短期的な利益獲得に陥って、そのツケが今来ているのである。

また、根ざしているのがものづくりなので、
お隣の中国の低賃金の人件費と常に争わなければいけない。

間違った円安は大胆な決断を先送りし、
皮肉にもバブル崩壊は、国内にこれでもかと工場を乱立させた2008年に突如起こった。

いずれにせよ円高が円安に再転換する日は遠い未来になるだろう。

その間、日本企業は5年、10年不況にあえぐのか、
それとも真のグローバル企業に生まれ変わるのか、
経営者の決断にゆだねられる。

日本の産業は低付加価値を追い出し、
高付加価値の知識資本型経済に移行する必要がある。

自動車は開発設計と生産部門を分断し、
後者は中国に全面展開するしかなかろう。

グローバルに優秀な人材と、有利なインフラを持つ国と地域を探し続け、
世界中の人々は皆ジプシーのように理想郷を目指してさまよう運命に入った。

アフターリーマンの世界では、国家は主体ではなく単なるインフラとなった。

必要な知識資本を補充できる人材がいる国で、
最適な企業形態をくみ、
低付加価値産業は発展途上国に譲るという
企業レベルでのグローバル水平分業が今後盛んになるだろう。

大企業、中小企業とも、上記概念を理解し実践しない企業に
残念ながら明日は無い。

知識資本は資金がいらない。
知識資本は理念が重要である。

今回の大破壊によって優秀な人材が
大企業の閉塞された呪縛を解き放ってくれる。

人材が流動化し、ベンチャーや成長力の高い企業に移っていく。

企業規模が競争力の源泉ではなくなる日は遠くない。

日本の高度な学力と、崇高な調和力が
世界を颯爽と駆け巡る姿をもっとみたい。

既存の大企業が崩れ、小粒でも真のグローバル優良企業が誕生するには
100年に1度の危機は歓迎すべきものである。

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チリも積もれば山となる。新モデルのP2BはGDPの破壊者か、或いはサブプライムか?

Posted on 2009-2-2 by admin under Economics, IT, venture. Tags: , , , , ,

サラリーマンもスーパーコンピュータを使える時代

本ブログの「変革と潮流」で紹介したように、現在の限界計算費用の低減は
既存ビジネスに投下されるバズーカ砲のようなインパクトを内包している。

ムーアの法則に代表されるように、
PCの性能向上とハードディスクの低価格化には
歯止めが掛かる見通しがない。

超高性能パソコンが10万円という、平均的な先進国の
サラリーマンの月収の半分で手に入るようになった。

さらにインターネットによるネットワークによって
例えばグリッドコンピューティングなら
100万台のPCを簡単に連結させ、
強烈なインパクトをもたらすスーパーコンピューターを
仮想的に作り上げることが出来るようになった。

これらは世界の限界計算費用を実質ゼロ円にするインパクトをもたらす。

ゼロ円の情報交換コスト

計算コストは言い換えるならば情報交換コストだ。
我々は、話す、聞く、電話する、メールする、文書を送る、
など様々なコミュニケーション手段をもっているが、
これらは全て「情報の交換」と言い換えることが出来る。

これまでは電話やテレビ会議、文章の送付などに
コストが掛かっていた。

しかし、多種多様なインターネット経由のサービスで、
これらが実質1情報あたり、
限りなくゼロ円で交換できるようになった。

市民は月額4000円程度の固定通信費を払えば
ほぼ無制限に、これに近い機能を
ゼロ円で手にすることが出来る。

wikipediaが体現する未来予想図

いま、世の中では集合知の活用が急速に進んでいる。

Wikipediaはオンラインの百科事典だが、
全世界で幅広くサービスされており、
集合知によって世界最大の百科事典になっている。

管理する者もボランティアになっており、
「Wikipedia」は単なる運営母体という意志をもたない集団だ。

もし一企業がWikipediaと同等の百科事典を作ろうとしたら
いくらコストがかかるだろうか?

10万語を収録するだけでも
10億円くらい掛かるかもしれない。

つまり、Wikipediaは無償で、広く薄い知識の寄付で
莫大な価値を生み出してしまった。

まさに限界計算費用がゼロになったからできたことである。

さらに、これらは専門家無くして作り上げたことも
忘れてはならない。

Wikipediaは記事を書くのに、専門家に依頼しているのではない。
それを興味をもっている人物に書いてもらうだけである。

鉄道に関する知識をもつのは、鉄道会社の人間ばかりではない。
趣味で鉄道を愛している人も然りである。

こういう人たちを2次専門家と呼ぶ。
本業以外のことでも高度な趣味性によって、
専門家顔負けのことをやっている人も居る。

そのような知識を世界中で集めたら
ものすごい実体経済価値になる可能性がある。

実体経済とオーバーラップするP2B

一方で、Wikipediaの情報は玉石混交である。
中には適切なソースに基づかない情報もある。

同じような話はサブプライムローンを組み込んだ
CDOやCDSと同じだ。

一つ一つにはアブナイのもあるが、
全体を抱き合わせ販売すれば見えにくくなる。

Pear to Business は情報化社会のサブプライムになるのか。
それとも次世代の知識イノベーションを引き起こすのか。

人間の英知が問われている。

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