ウォンツ 二次機能に着目した訴求ポイント

Posted on 2008-11-12 by admin under [01] マーケティングとは.

(3)ウォンツ
商品の本質や必要性に着目した「ニーズ」、そして、既存バリューの代替性に着目した売り方、3番目に紹介するのは、機能の本質以外の訴求点に着目した「ウォンツ」である。

ウォンツは欲求と訳すことも出来る。物事の本質ではなく、付随した機能に対しての欲求を総称して言う。商品や物事には、一次機能と二次機能と呼ばれるものがある。一次機能とは、その物事の存在に関わる本質的なものであり、二次機能とはその本質機能とは別のものである。例えば腕時計であれば時間を刻むことの正確さは一次機能であるが、時計全体のデザインや宝飾は二次機能である。エアコンであれば、冷気や暖気を出せることで室温を調整する機能は一次機能であるが、自動クリーニング機構や、省エネであることなどは二次機能である。このように、一次機能とは言い換えると「それが無ければその名は名乗れない機能」を言う。

・一次機能・・・その機能が無ければその名を名乗れない機能(性能)
・二次機能・・・本質的ではなく補助的な機能(デザイン・付加機能)

ご察しのとおり、ウォンツとはこの二次機能に焦点を当てた購買活動である。
無論、一次機能と二次機能というのは概念的なわけ方であり、顧客によって同じ事でも一次機能にも二次機能にもなりうる。外見に気を配る人なら、洋服の機能性以上にデザインが重要である。時間が正確でなくても腕時計にはまずファッショナブルなものを望む人もいる。必ずしもデザインが二次機能というわけではないことを注意していただきたい。何が一次機能で何が二次機能なのかは、顧客によって異なる。問題は顧客がその機能を必要と感じているのか、余分と感じているのかを考えるプロセスが社内にあるかどうかである。対象とする顧客が腕時計のデザインを購買の意思決定における重要な要素と考えているのであれば、デザインを一次機能として定義し、(1)で記したニーズとして売らなければいけない。一方で対象とする顧客がデザインを二次機能にしているのであればウォンツとして売ることが適切だ。

ウォンツで売るということは、顧客の立場からすればウォンツで買うということである。つまり、本質的な機能では差を見出せないので、ならばデザインのいいほうを買おうかとか、付加機能の多いほうを買おうかとかいう選択をすることになる。当然のことながらこれには一次機能が既に満たされていることが大切である。一次機能が満たされていない状態でウォンツだけを提案しても顧客からは片手落ちと判断される。最低限の一次機能無しにして二次機能の提案はありえないのである。

ウォンツで売る場合は顧客がその二次機能の価値に気づいていない場合が多い。自転車を単なる移動手段として考えている人にとってデザインは購買行動につながらない。しかしその顧客にデザインの重要性を気づかせ、デザインがある自転車がどれほど素晴らしいのかを明確に示すことが出来れば、顧客にとってはそれがウォンツとなり、人によっては一次機能まで昇格するのである。

二次機能の特徴としては、差別化が簡単であるということが言える。特に成熟市場においては二次機能がもたらす購買行動は大きなものになる。携帯電話は十分に普及しているが、各社ともデザインに趣向を凝らした製品を開発している。マンションは供給過多が続いているが、バリアフリー対応だとか、オール電化だとか、付加機能を多く付けて販売をてこ入れしている。これらは人によっては必要の無いものであるが、特定の顧客にとっては琴線に触れるものである。提案によってそれが一次機能になり、あるいは二次機能が購買の意思決定要因へと昇格されるのである。

以上のように、ウォンツを見直すことで一次機能と二次機能の融合を行い、顧客の購買意欲をコントロールすることが出来るようになる。

まとめると、ウォンツのポイントは下記のようになる。

・ウォンツは二次機能を提案する。
・二次機能は差別化しやすい。
・二次機能が提案によって一次機能に昇格する。
・一次機能と二次機能の定義は顧客によって異なる。
・顧客視点で定義を常に見直している活動が重要である。

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