顧客が求めるものは何か:ニーズ、ウォンツ、代替手段

Posted on 2008-11-6 by admin under [01] マーケティングとは.

顧客が何を求めているか?顧客が望む本質と、顧客が「その企業」に望む期待という二種類が存在する。顧客が望む本質とは、無論業界によって異なるし、同じ業界であっても規模の大きい企業と規模の小さい企業などによって答えは違う。その企業の特徴、あるいは得意分野などによって求められる顧客ニーズは異なるのである。例えばカシオに求められる時計と、ロレックスに求められる時計は異なる。それは企業のあり方だけではなく、企業の先行きにも大きな影響を及ぼす。これらは答えがどのようなものであるかは百社百様であるものの、答えを導き出すプロセスは全く見当がつかないというものではない。

メリットの無いものにお金は払わない。受益という言葉が表すとおり、益を得るものに人はお金を払ってもいいと感じるのである。そこには通常、原価という考え方はあまり存在しない。例えば、自分が一人で自動車を作るとすると、粗鋼から製鉄し、プレスでボディを打ち、エンジンを載せるなどという工程はとても一人で出来ることではない。もしもそれに果敢にチャレンジするよりかは、200万円で自動車を買ったほうが断然お得だろう。しかし、100%の人がそういう観点でいるのなら自動車はもっと売れてしかるべきである。ところがそのようにはならない。人は自動車がいくらで出来ているかという原価的観点ではなく、それがどのような利得を自分にもたらしてくれるかという観点で価値を判断する。

例えば自動車は移動の手段になる。そこで、自分が移動する際にこれまで徒歩、自転車、バス、電車、などと比較して自動車が移動の手段として自分にとって有効なものであればその受益に対してお金を払ってもいいと感じる。あるいは人によっては、高級車を乗って、自分のお金持ち度をアピールしたいという人もいるだろう。自分へのご褒美と思う人もいるかもしれない。はたまた、身体の具合や地域の交通インフラ事情によりやむを得ず自動車を買わなければいけないという人もいるだろう。このように自動車を一つ買うとなっても実際には顧客によってどういう要望の本質があるかは十人十色である。

一つの業種の一つの企業、一つの商品をとっても、それを買う人のニーズの所在、本質というのは様々なのである。そういう中で企業はどのように顧客ニーズの本質を捉えていったらよいのだろうか。先ほどの文章を紐解いていくとその答えがおのずと見えてくる。

先ほどの文章で顧客が自動車に望むものの一例をあげると、
・移動手段の変更→代替手段としての価値
・自分へのご褒美→保有物としての価値(バリューの向上)
・やむを得ず買う→必要物としての価値(バリューの維持)

このように根本的なニーズというのは
(1)必要最低限のもの
(2)代替手段
(3)プレミアム

という3つに分けることが出来る。

ニーズという言葉は「必要」という意味である。

(1)の必要最低限のものというのは、それを買わないと生活水準や現状維持に著しい影響を与えるというものである。例えばインフルエンザの予防注射を打ちたいという人はいないが、万が一自分がインフルエンザに掛かった時には健康を損なうため、必要に迫られて打ちに行く。怪我や病気になって病院に行くのも同じである。それ以上悪化すれば生活や生命に影響を及ぼすため行くのである。保険などの商品もそうである。万が一に備えて保険を買っておかなければいけない。受験生にとっては学習塾も必要なものである。ネガティブなものばかりではない。旅行に行くにはカメラを買わなくてはいけない。在宅ワークをするならば電話とパソコンは必要だ。新しい家に住む人にとってダイニングテーブルと椅子が無くては生活にならない。勿論感じ方によってこれらが必ずしもネガティブな購買になるとは限らない。進んでカメラを買う人や、自己研鑽のために学校や塾に行く人もいる。ダイニングテーブルを選ぶのが楽しみで仕方ない人も多い。ここで紹介した「ニーズ」というのは本質的な欲求であるため、顧客はそこに適当な商品があれば買う可能性が高い。また同時にタイミングが重要でもある。インフルエンザの予防接種は10~11月頃に受けなければ意味がない。春になってからでは遅すぎる。学習塾も新年度の4月が始めるには最適である。このように季節商売もニーズ要素が高い傾向にある。ニーズは緊急度と言い換えることも出来る。緊急度の高い顧客は正確な意思決定プロセスを飛ばして成約にいたるケースがある。車を運転している人であれば、普段は計画的に近所の安いガソリンスタンドを使うが、旅行中にガソリンがなくなりかけたら、最寄のガソリンスタンドが多少高くても給油することを選ぶ。ここには日常の購買の意思決定はだいぶ省かれているが、本人は経済合理性よりもガス欠で旅行が中断するリスクを避けるためには仕方ないことと納得する。ガソリンスタンドは適切なタイミングで顧客に提供できないかもしれないが、いずれにせよニーズ商売とはタイミングが重要ということを憶えておいて欲しい。

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