自動車修理工の場合(3)
話が少しそれたが、自動車修理店の場合どのような対策を持ってこれを解消していけばよいのか。そしてどのようなアプローチで顧客増加へとつなげていけば良いのか。さらにどうやって代替性の観点で顧客を増やしていくべきなのか。
この3つのアプローチは全て一つの法則性で解消できる。それが先に述べたエビデンス=「証拠」である。具体的に先ほどの顧客不安を解消するための証拠を用意すればよいのである。例えば
「この店舗は大丈夫だろうか?」
「料金をぼったくられることは無いのだろうか?」
「信頼できる品質の仕事をしてくれるだろうか?」
という売る側から見れば馬鹿げた質問に対しても第三者の立場で解答することが求められる。いまや情報が信用できない時代である。国産牛肉が外国産であったり、収めたはずの国民年金が未納となっていたりと社会は欺瞞に満ちている。こういう中で顧客が信頼性や情報の出所に必要以上に神経質になるのは仕方の無いことである。それに対して企業は責任を持って解消していかなくてはならないし、それを解消しないままでは企業の永続性に影響が出てしまう。動物としての人間も本質はリスクを嫌うのである。リスクを排除するのは生物の本能であり、これを変えることは出来ない。ならば企業もリスクを排除しようではないか。
例えばチラシにこのような文言を入れてみる。
「○○町で30年の実績、自動車修理なら田中自動車へ」
「安心の料金体系でしっかりお見積もり、初めてのお客様にも親身に相談に乗ります。」
「6ヶ月間の返金保障、修理にご満足いただけない場合は全額保証いたします」
このような文言を入れてみるのである。
すると顧客の立場からすればどうだろうか?この修理店と取引することに大きな不安はなくなるはずである。この修理店の実績や、料金体系、サービスの内容について本質的な不安はだいぶ解消される。取引にリスクがあっては本質的なサービスの内容での他社との勝負は出来ない。しかし取引リスクを低減できればサービスの付加価値で本当の勝負の土台に乗れるのである。
代替性をアピールするのなら、修理の品質を第三者的な立場で記載することが有効である。定量化できないものを定量化して表現するのである。例えば顧客の声を反映させてみる。
「田中自動車で傷ヘコミの修理を依頼したAさん(26歳女性)の声
近くの路上で電柱にこすってしまい、塗装のはがれと傷ヘコミができてしまいました。
近所にあった田中自動車さんで修理をお願いしました。
自動車修理屋さんに入ったのは初めてだったのでどういう対応をされるか不安がありましたが、実際にはスタッフのかたが親身に相談に乗ってくれて、プランも3つ料金とともに提示してくれました。こういう修理って金額の中身がわからなくて入るまで不安があったのですが、頼んでみると気軽にお願いできるんだなってことがわかりました。昨年買った愛車だったので、ちょっと傷がそのままではいやだったのですが、ここで直してよかったです。」
あなたの会社にこんな顧客の声は無いだろうか?これには完全な定量性は無いが、比較定量性がある。定量性がある顧客の声には新しい顧客は敏感に反応する。新しい顧客はリスクの回避を望んでいるからだ。既に同じ事を試した顧客はそのリスクを犯したことになり、その内容を次の顧客に伝えれば自社との取引に関するリスクの低さをアピールする絶好のツールとなる。これは正に証拠であり、この証拠の提示こそが中小企業にとって最大の障壁である自社との取引リスクというファクターを減少させる要因となるのだ。
